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平成 5年第 1回 2月定例会−02月26日-02号

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  1. 広島市議会 1993-02-26
    平成 5年第 1回 2月定例会−02月26日-02号


    取得元: 広島市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-05
    平成 5年第 1回 2月定例会−02月26日-02号平成 5年第 1回 2月定例会        平成5年第1回広島市議会定例会会議録(第2号)            広 島 市 議 会 議 事 日 程                               平成5年2月26日                               午前10時開議                日    程  第1 自第1号議案 平成5年度広島市一般会計予算     至第52号議案 安芸郡海田町の公の施設の利用に関する協議について     (総括質問)  ─────────────────────────────────            会 議 に 付 し た 事 件 等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 自第1号議案 平成5年度広島市一般会計予算       至第52号議案 安芸郡海田町の公の施設の利用に関する協議について       (総括質問)
     休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  総括質問(続行し,3月1日も続行)  次会の開議通知(3月1日午前10時開議を宣告)  散会宣告(終了)  ─────────────────────────────────              出 席 議 員 氏 名   1番  谷 川 正 徳 君     2番  松 平 幹 男 君   3番  原   敏 起 君     4番  酒 入 忠 昭 君   5番  土 井 哲 男 君     6番  佐々木 壽 吉 君   7番  金 子 和 彦 君     8番  中 原 好 治 君   9番  木 山 徳 和 君     10番  大 野 芳 博 君   11番  井 口   聰 君     12番  加 藤 万 蔵 君   13番  田 尾 健 一 君     14番  上 岡   勲 君   15番  皆 川 恵 史 君     16番  福 島 和 宏 君   17番  中 山 忠 幸 君     18番  多 田 敏 治 君   19番  仲 津 幸 男 君     20番  平 野 博 昭 君   21番  藤 田 博 之 君     22番  浅 尾 宰 正 君   23番  児 玉 光 禎 君     24番  宗 像 俊 昭 君   25番  碓 井 法 明 君     26番  下向井   敏 君   27番  藤 川   武 君     28番  坂 根 喜三郎 君   29番  都志見 信 夫 君     30番  石 川 武 彦 君   31番  戸 田   満 君     32番  鶴 見 和 夫 君   33番  松 井 邦 雄 君     34番  種 清 和 夫 君   35番  前 本 一 美 君     36番  木 島   丘 君   37番  神 明 政 三 君     38番  熊 本 良 作 君   39番  伊 藤 稲 造 君     40番  月 村 俊 雄 君   41番  村 岡 節 吾 君     42番  松 浦 弘 典 君   43番  牧 里 重 喜 君     44番  鈩 谷 君 子 君   45番  中 本 康 雄 君     46番  前   恵 介 君   47番  桜 井 康 民 君     48番  大勢登 康 憲 君   49番  兼 桝 栄 二 君     50番  中 本   弘 君   51番  元 田   猛 君     52番  山 口 氏 康 君   53番  山 科 美 里 君     54番  増 田 正 昭 君   55番  海 徳   貢 君     56番  今 田   智 君   58番  井 上   貞 君     59番  山 本   誠 君   61番  宮 本 正 夫 君     62番  瀬 川 吉 郎 君   63番  柳 坪   進 君     64番  明 星 正 明 君  ─────────────────────────────────              欠 席 議 員 氏 名                な   し  ─────────────────────────────────        職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名 事務局長 下 村 重 圓 君  事務局次長議事課長事務取扱                       河 野 康 文 君 議事係長 浜 中 典 明 君  議事課主査 宗 像 良 和 君 外関係職員  ─────────────────────────────────            説明のため出席した者の職氏名 市    長 平 岡   敬 君  助    役 福 島 隆 義 君 助    役 鍋 岡 聖 剛 君  助    役 山 野   宏 君 収  入  役 佐々木 眞 二 君  市 長 室 長 浜 井 澄 人 君 企画調整局長 白 崎 徹 也 君  総 務 局 長 堀 部 尚 雄 君 財 政 局 長 石 橋 正 行 君  民 生 局 長 若 狭 武 治 君 衛 生 局 長 上 田 博 三 君  環境事業局長 山 岡 俊 英 君 経 済 局 長 樋 渡 敬 宇 君  都市整備局長 加 藤 英 海 君 建 設 局 長 横 山 良 三 君  開 発 局 長 佐々木   進 君 下 水 道局長 赤 司 義 臣 君  消 防 局 長 宗 像 正 道 君 水 道 局 長 山 根 龍 春 君  広島市民病院事務局長                          中 岡 隆 志 君 安佐市民病院事務部長        財 政 課 長 横 田 真 二 君        川 岡 稔 和 君 教育委員会委員長          教  育  長 池 田 正 彦 君        藤 井   尚 君 選挙管理委員会事務局長       人事委員会事務局長        長谷川 順 通 君         久保田 浩 二 君 代表監査委員 石 川 伯 廣 君  ─────────────────────────────────              午前10時09分開議              出席議員  48名              欠席議員  14名 ○議長(中本弘君) おはようございます。出席議員48名であります。  ─────────────────────────────────            開   議   宣   告  ───────────────────────────────── ○議長(中本弘君) これより本日の会議を開きます。  ─────────────────────────────────            会 議 録 署 名 者 の 指 名  ───────────────────────────────── ○議長(中本弘君) 本日の会議録署名者として            3番 原   敏 起 君            45番 中 本 康 雄 君 を御指名いたします。  ─────────────────────────────────            日 程 に 入 る 旨 の 宣 告  ───────────────────────────────── ○議長(中本弘君) これより日程に入ります。  ───────────────────────────────── △日程第1 自第1号議案 平成5年度広島市一般会計予算       至第52号議案 安芸郡海田町の公の施設の利用に関する協議について              (総括質問)  ───────────────────────────────── ○議長(中本弘君) 日程第1,第1号議案ないし第52号議案を一括議題にいたします。  これより総括質問を行います。  発言通告者に順次発言を許します。井口聰君。             〔11番井口 聰君登壇〕(拍手) ◆11番(井口聰君) おはようございます。私は,市議会自由民主党を代表して一般質問を行います。  質問の機会を与えられましたことについて率直に感謝申し上げ,また未熟な点につきましても,御容赦賜りますようよろしくお願いいたします。  なお,発言通告に基づき何点か質問をさせていただきますので,真摯かつ前向きな御答弁をお願いいたします。  さて,近年の社会経済情勢には目まぐるしい変化がありました。日本が成熟債権国として楽観されていた5年前はパックス・ジャポニカと言われ,世界経済を席巻するかのような勢いでありました。しかし,当時イギリスのエコノミスト誌のビル・エモット氏は,「陽は沈む」という本もベストセラーとなり,日本経済の先行きについて楽観,悲観の両論があったと記憶しております。実際はどうであったか。バブルが崩壊し,不良債権がはびこっている状況になっているのであります。しかし,当時も今も言われていることは,今後世界経済は一段と相互主義が強まり,1国だけの繁栄はあり得ないほど相互に依存し合った関係となり,調整の時代に入っていくということであります。同じことは国内にも言える問題でありまして,地方自治体もこぞってみずからの経済的発展を唱えておりますが,1国だけの繁栄が困難であるように,地方都市も各自治体がまちまちに1都市だけの発展を主張する時代は終わったのではないかと思うのであります。
     市長は広域都市圏を標榜して,広島が中枢性を持つことが地域経済の発展につながると期待しておられると思いますが,単に従来型の経済的,行政的中枢性を志向していく限り,広島のポテンシャルから考えて広島だけがひとり勝ちし,中枢都市として飛躍的な発展を図っていくことは,もはや難しいのではないでありましょうか。広島都市圏内の自治体とともに,区域全体の底上げを図ることを提唱することによって,初めて周辺の自治体が広島市に目を向けてくれると考えますし,これこそ今最も重要な課題ではないかと考えますがいかがでございましょうか。  そういう意味で,先般広島市がリーダーシップをとって広域都市圏内の市長と懇談会を持たれたことは,非常に意義深いものがあったのではないかと思います。その成果はどのようなものであったのか,まずお聞きしたいと思います。  また,ポストアジア大会政令指定都市移行20周年をにらんだ施策の展開が必要な今,これら広域都市圏内の自治体との交流を通じて広島市が牽引力と影響力を持ち,また頼もしい存在として位置づけられることこそ広島の発展につながると考えます。  例えば,福岡市を例にとってみますと,福岡市の技術職員7名を周辺自治体に派遣し,かわりに周辺都市から事務職員を受け入れて,広域都市圏関係の事務に従事してもらっているようであります。  例として申しましたが,広島市も市民レベルや経済界の交流の手始めとして,自治体職員の相互交流を検討され,対外交渉能力,つまりバーゲニングパワーを備えた組織体制づくりを行うことも必要ではないかと考えております。  また,本市の公の施設の設置についても,広島市の区域内での設置が困難なものであるのではないでありましょうか。そういう施設については,広域都市圏などを対象にして,市域外施設を検討されてもよいのではないかと思いますが,いかがでございましょうか。  市長は,なお今後広域都市圏の自治体とどのような連携を持たれようとされているのか。また,その連携のもとにどういう事業展開が可能と考えておられるのか。さらに,長期的課題は何かということについてお伺いいたします。  次に,高度情報化社会の取り組みについてお聞きいたします。  近々インテリジェントセンターが完成し,ソフトウエア開発の人材育成が始まることは称賛されるべきことであると思います。  ところで,広島市は平成2年に高度情報化基本計画を作成され,情報化社会に向けた取り組みの必要性を述べておられます。確かに今,新たな時代の潮流として情報化,技術革新などが例示されることが多い時代背景となっていることは御承知のとおりであります。  私は,広島が中枢性を持つためにも,また産業の活性化や市民の利便上の向上のためにも,さまざまな側面から情報化の推進や,情報化の進展に伴う社会制度の改善などの検討が必要ではないかと考えるのでございます。広島市は,これまで情報化の推進手法としてニューメディアコミュニティー構想テレトピア構想インテリジェントシティー構想ハイビジョンシティー構想などの指定を受けていると聞きますが,まずこれらの構想と計画の進捗状況はどうなっているのかお伺いいたします。  また,広島でのケーブルテレビ4局体制が,都市の神経として情報化の進展に与える影響には,大いに期待できるものがあります。この議会もケーブルテレビを利用して同時中継することも可能でありますし,地域コミュニティーへの活用だけでなく,双方向機能を持たせば,回線を利用して福祉面や生涯学習など多様な活用方法があるのではないでしょうか。特に,近畿圏での情報化への先駆的取り組みには,目をみはるものがあります。既に大阪市など出資による第三セクターの大阪メディアポートでは,衛星を利用した通信システムを稼働させ,近畿圏の情報化,国際化を担う大阪テレポートの運営を行っているようであります。広島市も,他都市の後塵を拝することのないよう積極的に情報化社会の対応をすべきであると考えますが,いかがでございましょうか。  そこでお尋ねしますが,広島は今後高度情報化社会の取り組みの体系及び庁内体制をどうされようとしているのか。また,広島でのケーブルテレビ局の現在の加入率と加入促進対策はどうなっているのでしょうか。さらに,福岡市のようにスポーツ施設など公共施設の予約システムを検討される意思があるのかどうか,具体的な御答弁をお願いしたいのであります。  次に,余暇時代に見合う施設の整備についてお伺いいたします。  週休2日制の定着,年間労働時間1,800時間への短縮などにより,今後国民の余暇活動が活発になることが予想されます。折しも,来年は国連家族年であります。今までの日本はゴルフ,スキー,テニスなど所得消費型のレジャーが主流となっていましたが,92年のレジャー白書によりますと,家族とともに近場で安く,楽しみ本位の余暇活動が活発になってきたと記されております。  そこでお尋ねしますが,広島市内にも先進国並みの時間消費型のレジャーに対応したキャンプ場やサイクリング施設,とりわけ近年需要が高まっているオートキャンプ場などの整備について,ぜひ検討されるべきではないかと考えますが御当局のお考えをお伺いいたします。  次に,都市計画法の改正についてお伺いします。  昨年,都市計画法及び建築基準法が改正され,用途地域制度の細分化や誘導容積制度の創設を初め,都市計画区外における建築規制の合理化などが行われることとなりました。また,この改正により市町村の都市計画に関する基本的な方針の創設,つまりまちづくりのマスタープランの作成が義務づけられたところであります。このプランづくりにより,市町村の力量がわかるとまで言われております。  法の改正に先立ってまとめられた都市計画中央審議会の答申は,住民参加のもとに,より具体的できめ細やかな計画を定めることができるようになっていますが,本市のマスタープランも住民参加型のものになるのでありましょうか。また,市町村の個性に沿って作成されることが望ましいこととなっていますが,広島市のプランにはどのような特徴を持たせようとされているのか,現在までのプランづくりの進捗状況とあわせて当局のお考えをお聞かせ願いたいと思います。  次に,小・中・高校の学習指導要録についてお尋ねいたします。  学習指導要録については,文部省が平成3年3月指導要録の改定について各都道府県に通知し,各学校でも平成4年度から全学年にわたって新しい指導要録を作成しているところであります。今までこの指導要録は非公開とされ,たとえ本人であっても,その開示を求めることはできなかったのであります。ところが,さきの報道によりますと,大阪府箕面市に次いで川崎市でも指導要録の開示を認める決定をしております。さらに,全国では30件の開示請求が出されていると聞いております。川崎市の開示決定のポイントは,卒業生に対する全面開示,他の都市からの転校生についても転校前の指導要録が開示されること,また記載内容の訂正も認めるというものであります。これに対して文部省は,客観的で公正な記述がしにくくなる,人物評価を本人が知れば,教師との信頼関係がなくなる,マイナス評価に対する反発などを理由に,開示に対して消極姿勢をとっているようであります。学校教育施行規則によれば,各学校の校長が指導要録を作成し,児童などが転校した場合も転学先に送付すべきものとなっており,広島市から川崎市に転校した児童の指導要録は,転校先の川崎市で開示されることとなるのではないでしょうか。  情報公開は時代の流れという意見もあるようでありますが,川崎市の決定によって今後広島市でも指導要録の公開を求める動きが出ることが予想されます。これに対して広島市は,将来にわたって公開を求める申請が出された場合,内申書や指導要録の開示は全く認めないのか,あるいはまた部分的にでも認める方針で検討されているのか御見解をお伺いいたします。  次に,新交通システムの将来計画についてお尋ねいたします。  新交通システムについては,現在本通駅から広域公園駅までが事業実施されております。広域公園駅から先のルートについては,昨年8月に出された公共交通施設整備長期計画で,西部丘陵都市線として己斐地区に抜けるルートが選定されております。トンネルの上で,己斐地区に抜くルートには賛成でありますが,第3期として五日市地区にルートをぜひ検討していただきたいと思うのであります。といいますのは,環状方面の路線を強化して効率的な公共交通ネットワークを形成し,交通の混雑を緩和させることも理由の一つでありますが,環状型の交通体系にすることは,市長の言われる多心型の都市形成など,都市構造の再編を図る上でも重要な課題であろうかと思うからであります。環状型のルート案として,広域公園駅から五日市石内線の利用,または佐伯区西部の山地部開発内の道路を利用して南下し,国道2号バイパスやJR五日市駅等地下部分で交差させた後,南道路にタッチさせ,南道路高架部分を活用して南道路を東に走らせ,南区内で南北線と接続させれば環状型の新交通システムとなるのではないでしょうか。しっかりした計画を持てば,技術的に不可能ではないと思います。50年先にどうとかいうことなく,ぜひ我々が生きている間に具体化されるよう検討していただきたいと思いますが,御当局のお考えをお聞かせ願いたいと思います。  次に,保健医療カードシステムの導入についてお聞きします。  今,我が国の人口構成は平均寿命の伸びや出生率の低下により,急速に高齢化してきております。厚生省の推計によりますと,2020年には4人に1人が65歳以上になると言われております。また,食生活の変化に伴い,がん,心臓病,脳血管障害が死因の上位三つを占めるようになってまいりました。このような超高齢化社会の到来と疾病構造の変化により,福祉,医療を取り巻く環境は大きくさま変わりし,その変化に対応したきめ細やかな政策を行うことが求められております。  現在厚生省においては,高齢化社会に対応し,医療,保健,福祉の連携等を促進を図るため,今まで個々に行われていた個人情報をICカードや光カード等によって一元的に管理するシステムを進めているようであります。このカードには,氏名,生年月日などの個人情報のほかに血液型や健康状況,さらには健康診断の結果など新聞1ページ分の情報が記憶でき,保健所の保健指導に活用できるほか,市民の皆さん自身に携帯してもらうことにより,医療機関での二重診療はなくなる。また,緊急時にも素早い対応ができるといった利点であります。さらに,もっと幅広い情報を入れれば,印鑑証明などの発行もキャッシュカードなどと同じように使用できるシステムとなるのであります。既に,姫路市や出雲市など9都市で高齢者を対象に医療カードを配布されているようであります。都市が11都市であり,また70を超える都市が前向きに検討しているとのことであります。近々,国がガイドラインを示すようであります。同様なカードシステムは,厚生省以外に自治省などでも検討され,岡山市などの11都市がこのシステムを導入する構えということであります。  もっともプライバシーの問題もあり,個人情報へのアクセス権も含めて個人情報の保護については,厳格に管理される必要があるということは言うまでもありません。広島市においては,高齢化社会の到来に備えるべく,このような国の取り組みをどのように把握され,保健医療カードシステムなどの導入についてどう取り組もうされているのか,当局の御見解をお尋ねいたします。  最後に,佐伯区の墓地造成の問題についてお伺いいたします。  墓地経営の許可については,今後他の地区でも申請が出されると思いますし,平地部が少ない広島市では,宅地規制区域内での開発もたくさん計画されておりますので,一地区の問題だけでなく市全体にかかわる問題であると考え,質問させていただきます。  佐伯区の墓地の問題については,既に厚生委員会では結論が出されております。今回の墓地造成については,墓埋法の申請受理の際,当局は地元住民の意思を十分に把握されていなかったことと,申請後に基準を改正するという二重の積極的な過失があったため,行政への不信が募ったものと思われます。  衛生局は,採択請願についてその後どのような措置をとられたのかお聞きましす。  次に,この墓地は滑り谷という地名が示すように,県において土石流危険渓流並びに崩壊土砂流出危険箇所など危険区域に箇所づけられた急峻な土地であります。また,57年7月の長雨と8月の集中豪雨では,付近の類似の地形において土砂崩れが起きているのであります。このような区域での造成工事に対し,地元住民は強い不安を感じているため,次の点について明確にしていただきたいと思います。少し瑣末な質問になろうかと思いますがお許しいただきたいと思います。  まず,理事者側から説明いただいた地質調査の報告書を見ますと,この造成地中央部は表層から約10メートル程度までは非常に緩い砂質土が分布した,いわゆる軟弱地盤で,支持力及び沈下の面で問題があり,支持層としてはできるだけ避けるべきであると記載されております。もっとも,この地質調査は調査地点が3カ所しかなく,その3地点のデータから軟弱地盤層の地質分布を推測して,安全性を計算されたんだろうと思います。これは若干雑駁な分析であると危惧しますが,これはさておいて,このような地形において新たに切り土,盛り土工事が行われておりますが,どのような工法を採用して斜面の安定を保とうとされているのか,またそれは安全なのかについてお聞きしたいと思います。  第1点目は,墓地のブロック擁壁の安全性についてであります。ブロック擁壁の高さは5メートルと聞いておりますが,崩壊に対して本当に安全性は確保されているのでしょうか。墓地であるため,当然のことながら墓石などの荷重がかかることとなります。ブロック擁壁の設計の際に,墓石などの積載荷重を幾らとし,最大荷重を1平方メートル当たり何キログラムとしてその安全性を計算しておられるのか。また,最大荷重が斜面に与える影響はどのようなのか明らかにしていただきたいと思います。  第2点目は,造成地の盛り土工事についてでありますが,先ほど指摘しましたように,このような支持力の弱い地形においては,一般的に地質調査をもとに円弧滑り,つまり地滑りに対する安全率を計算することとなっております。安全率が低い場合,摩擦抵抗力を強化し安全性が確保されるよう,例えば滑りどめ擁壁の設置及び擁壁の基岩への着床あるいは砕石等による土砂の置きかえあるいは土砂の締め固めなどの工法をとるべきであります。  広島市の宅地開発指導要綱の開発技術基準でも,谷筋や急傾斜地などで盛り土する場合には,盛り土の高さの5分の1の高さのコンクリ堰堤などを暗渠とともに埋設し,盛り土の下の部分に土どめを,擁壁を設置することと指導しておられるようにありますが,市当局はこの造成工事の斜面の安定を保たせるためにどのような工法を採用するよう指導され,いかなる安全率を確認しておられるのかお伺いいたします。  次に,排水の問題についてであります。  墓地造成地周辺の地形は谷筋であり,降雨時には地下浸透水が生じやすい条件となっているのであります。墓地造成地では,造成に際してどのような排水対策が講じられているのかをお伺いします。  次に,墓地から流れる雨水と墓地造成地の横を流れる渓流は,すべて現在の観音台団地内に埋設してある幹線水路に流入することとなりますが,昭和57年の土砂崩れのときには,この地域では地盤の一部が隆起するクィックサンド現象に似た現象があったと聞いており,非常に危険な地域であります。  そこでお尋ねしますが,観音台団地の現在の幹線水路の流下能力について集水面積及び計画降雨量はどのように設計されているのか。また,現在の水路断面の流下能力は幾らで,どの程度の余裕を持っているのでありましょうか。さらに,山林が墓地に変わることによって当然流出係数が高くなり,雨水量が増加するものと思いますが,その影響について現在の観音台団地の水路の断面で流下が可能なのでありましょうか。その安全率はどの程度確保されているかが,最後の質問であります。  以上,市当局はどのように行政指導されたかも含めて,データをもとにわかりやすく御答弁くださいますようお願いいたします。  最後に,御当局の前向きな御答弁を期待して質問を終わります。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(中本弘君) 市長。             〔市長平岡 敬君登壇〕 ◎市長(平岡敬君) 広島広域都市圏内の自治体との交流についてお答えいたします。  広島市の発展を図っていくためには,通勤,通学あるいは買い物,医療などの日常生活面でのかかわりや,経済的なつながりの強い岩国市,大竹市から江能4町,呉市に至る広島湾地域,それから東広島市,本郷町などの広島県中央地域,さらには芸北地域なとを含む人口200万人規模の圏域におきまして,各地域との適切な機能分担のもとに連携を強化し,一体的な都市圏を形成することが必要である,このように考えております。  広島市の発展が周辺市町村を強化し,そして周辺市町村の発展が広島市の繁栄につながると,こういう関係をつくっていかなければならないというのは,議員御指摘のとおりでございます。  それで,この圏域内の市町村とは,これまでも道路整備を促進するための各種期成同盟会の設置,観光事業の振興を図るための各種協議会の設置,消防応援協定による災害時の相互応援体制の整備などのさまざまな連携を図ってきたところでありますが,さらにこれを充実する必要があるため圏域内の呉市,竹原市,大竹市,東広島市,廿日市市,岩国市及び広島市の7都市の市長による懇談会を先日行ったとこであります。これは,それぞれの市長が意見交換を行うとともに,各種の主要事業をお互いに認識すると。そして,広島広域都市圏の形成誘導を図るための計画案の策定を進めていこうと,こういう趣旨でございます。そして,その会議では,各都市ともこれから連携を強化していく必要があるということで,意見の一致を見たところでございます。ただ,広域都市圏を考える場合には,それぞれの自治体の主体性を尊重しながら,役割分担と連携を図るということが基本でありますけれども,現実に事業を進めていく場合には,いろいろな問題があることも事実であります。本市といたしましては,今後とも連携強化を推進していくために,7都市の企画部門による協議や7都市の市長による意見交換等を行い,都市圏内市町村で構成する協議の場づくりに向けての協議を進めてまいりたい,このように考えております。  広域都市圏内の自治体との事業展開につきましては,現在市の広報紙「市民と市政」におきまして周辺市町村のイベントなどを掲載し,市民に広域的な情報を提供を行うとともに,そうした連帯の機運の醸成というものに努めているところでございますが,その他の具体的な事業,今おっしゃいました人的交流だとか,あるいは市域外への施設の建設といったようなことにつきましては,これからもこういった協議の場において検討を進めてまいりたい,このように考えております。  その他の質問につきましては,助役以下関係局長が御答弁申し上げます。 ○議長(中本弘君) 鍋岡助役。 ◎助役(鍋岡聖剛君) 高度情報化社会の取り組みについて私から御答弁申し上げます。  本市では,高度情報化への対応を都市発展の重要な課題の一つというぐあいに認識いたしておるわけでございまして,21世紀に向けた本市の情報機能強化のための基本方針と,その具体的な施策を内容とする──これは御質問にもございましたけども,広島市高度情報化基本計画を平成2年9月に策定いたしたところでございます。  この計画では,多種多様かつ高度な情報ニーズに対応するために,情報拠点施設あるいは高度通信ネットワークなどの基盤の整備を図るとともに,情報化を担う人づくりと情報資源の整備,また産業における情報化の促進と情報関連産業の振興,さらには行政サービスを初めといたしまして,市民生活の向上を図るための情報システムの構築,導入を推進することといたしております。  これらへの取り組みにつきましては,本市としての情報化施策の全般に関する企画及び調整を企画調整局において取り扱うことといたしておるわけでございまして,そのほか各分野別の施策につきましては,それぞれ所管の部局において鋭意その推進に取り組んでおるところでございます。  以上でございます。 ○議長(中本弘君) 山野助役。 ◎助役(山野宏君) 私の方から,都市計画法の改正についてのお答えを申し上げたと思います。  昨年6月に都市計画法が改正され,都市計画を円滑に推進するという目的のために,個別,具体の都市計画の指針,市町村のマスタープランの規定が設けられたところでございます。これは,地区ごとの将来のあるべき姿をより具体的に示して,地域における都市づくりの課題,それに対応した整備等に関する方針を明らかにしようとするものでございます。  この市町村マスタープランへの対応につきましては,新年度早い時期に見込まれております法改正の施行に伴うとこの政令あるいは通達等を待ちまして,作業に取り組むことになるわけでございますが,既に本市では第3次広島市基本計画において,都市づくりの指針等の計画を策定しております。これとの整合を図りながら取り組む必要があるというふうに考えております。  以上でございます。 ○議長(中本弘君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(白崎徹也君) 国の各種情報化構想の進捗状況についてのお尋ねでございますが,四つの省庁から四つの情報化構想がございまして,それぞれ指定を受けておるわけであります。  まず,テレトピア構想でございますが,これにつきましてはこれまでに都市情報システムなどの四つの行政システムを整備いたしました。また,ケーブルテレビ4局の放送が開始されておりますし,海上を主なサービス地域といたします無線電話システムのサービスも開始しております。こういうふうに情報通信基盤及びシステムの整備に努めてきたところでございます。  次に,ハイビジョンシティー構想としましては,国際会議場に平成元年7月各種イベントに利用できます大規模なハイビジョンシステムを導入しましたほか,本年3月には市庁舎市民ロビーにハイビジョンテレビを設置することといたしております。  また,ニューメディアコミュニティー構想としましては,昭和63年の2月に設立されました株式会社広島市産業情報サービスによりまして,中小企業を対象に業務合理化,人材育成ほかの情報システムを構築いたしておりまして,平成2年7月から運用を開始いたしております。  さらに,インテリジェントシティー構想につきましては,建設省所管事業の進捗に応じましてキャブシステムなどの推進基盤や,駐車場案内システムなどの整備を進めているところでございます。  それから,広島でのケーブルテレビ局の現在の加入率と加入促進策でございますが,本市域内のケーブルテレビは平成4年7月までに4局のサービス体制が整っております。サービス地域を拡大するために現在もケーブルの敷設を続けております。したがいまして,加入率につきましては算定するために必要な,現在どの程度の方々がケーブルテレビが利用可能かという現時点での数が把握できませんので,算定できないわけでありますけれども,現在利用している世帯の方々は,4局合わせまして約6,100世帯。予約をされている世帯の方を含めますと約8,000世帯になっているところでございます。  それから,加入促進対策につきましては,4局いずれにおきましても新聞等マスコミによるPR,代理店などネットワークを活用した営業体制の強化,また魅力ある番組づくりなど積極的な努力を重ねられておるところでございます。市といたしましても,これら4局に対しましてはそれぞれ出資をいたしておりまして,NTTの無利子資金の融資が受けられるような手当てを講じているところでございます。こういう無利子資金をお使いになりまして,全体の費用が軽減できる,低廉な料金によりまして利用ができるという形での加入促進を進めているというふうに御理解いただきたと存じます。  以上であります。 ○議長(中本弘君) 衛生局長。 ◎衛生局長(上田博三君) 保健医療カードシステムについてでございますが,保健医療カードシステムを制度として確立していくためにはプライバシーの保護,入出力情報の管理,利用機関等の調整等解決しなければならない課題がございます。このため,議員御指摘のように国においても保健医療情報の記録,情報の処理や利用の方法について,昭和62年度から平成元年度にかけてモデル事業が行われており,引き続き姫路市をモデルとして研究開発が,平成3年度から平成5年度まで実施されているところでございます。平成5年度には,その評価に基づき標準的なシステムのガイドラインが作成される予定でございます。  保健医療カードシステムは,市民の健康管理を進めていく上で有効な方法の一つであると考えていますので,今後国の動向も見ながら,本市としても研究をしていきたいと考えております。  それから,佐伯区の墓地に関する請願採択について,その後どのような措置をとったかということでございますが,平成4年の11月9日に厚生委員会で請願が採択をされましたことを受けまして,その後改めて事前指導から許可までの経緯,宗教法人の適格性及び申請墓地の位置及び施設基準等について墓地埋葬等に関する法律,広島市墓地埋葬等に関する法律施行細則及び墓地納骨堂または火葬場の経営等の許可事務取り扱い要領に照らしまして,再度審査項目を一つ一つ精査しました結果適正に処理されておりまして,許可において問題はなかったと確認をしております。  また,このことを昨年の11月25日住民の代表の方に御説明を申し上げますとともに,当該宗教法人に対し請願が採択されたことの趣旨を踏まえ,住民と円満な解決を図るよう繰り返し指導をしているところでございます。  なお,旧要領を適用したことについてでございますが,法令の改正等に当たりましては,申請者の権利義務の関係を規定するものであるという性格から,急激な行政指導の変更を避けるため経過規定を設けることが一般的でございまして,本件についても計画規定を適用して,旧要領によって許可したものでございます。  また,許可に当たって住民の方々への対応についてでございますが,たとえ100メートル以上離れていても墓地という性格から,付近の方々の御理解を得ることが望ましいと考え,付近の方々の御理解を得るように申請者に対して重ねて指導してきておりますので,御理解願いたいと思います。  以上でございます。 ○議長(中本弘君) 経済局長。 ◎経済局長(樋渡敬宇君) オートキャンプ場の整備についてお答えいたします。  オートキャンプは手軽に家族連れでキャンプを楽しむことができることから,余暇時間の増大やアウトドア指向の高まり,さらにはレジャー用の車の普及等を背景として急速に普及しつつありまして,またオートキャンプ場についても全国的に増加しているところでございます。  本市におきましても,森林資源の有効活用を図る観点から,候補地としては平地部を一望できる山々とか,北部地域の森林地帯が考えられますが,全国のオートキャンプ場の状況を見ますと恵まれた自然を生かして設置されたものが多く,その整備に当たりましては立地と環境が特に重要な要素となっているようでございます。本市につきましても,場所の選定を初め慎重に検討すべきことが多いものと考えております。  御提案の趣旨を踏まえ,今後研究を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(中本弘君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(加藤英海君) 佐伯区の墓地造成工事について5点のお尋ねがあったと思いますので,順次お答え申し上げます。  宅地造成等規制法は,宅地造成に伴い,がけ崩れや土砂の流出を生ずるおそれが著しい区域におきましては宅地造成に関する工事等について災害を防止するため,必要な規制を行うことを目的として制定されており,その工事の技術的基準は主に四つの項目に分かれております。すなわち地盤の安全,それから擁壁の設置及び構造,それから排水施設の設置及び構造について,そして,擁壁によって覆われないがけ面の保護について規定されております。御指摘の墓地造成については,この技術的基準に沿って審査をし許可したものでございます。  まず,お尋ねのブロック積み擁壁の安全性についてでございます。  ブロック積み擁壁の構造につきましては,技術的基準により高さが5メートル以下が安全とされております。御指摘の墓地造成で設置されるブロック積み擁壁は,すべて5メートル以下でございまして,平均的には3メートルであり,安全性が確保されていると判断したものでございます。  次に,ブロック積み擁壁の積載荷重についてでございますが,本造成地で予定されている墓石は,最も大きいもので約900キログラムの重量であると聞いております。墓地の1区画の最小面積は4平方メートルであり,したがってその4平方メートルで墓石全体の重量を受けることとなっております。技術的基準に示されておりますブロック積み擁壁の耐えられる荷重は,1平方メートル当たり500キログラムとされており,したがいましてこの区画の4平方メートルに耐えられる荷重は2,000キログムラムとなることから,計画されております900キログラムの荷重は十分に安全が確保されているというふうに判断したものでございます。  また,最も大きな荷重が斜面に与える影響につきましては,円弧滑り面における安定計算を行い,安全性の確認を行っているところでございます。  次に,当該造成地の工法及び安全率の確認についてでございます。  御指摘の墓地造成は,事前のボーリング調査により,擁壁等の支持地盤となる場所に一部不適当な土のあることが判明いたしました。したがって,その土を取り除き,良質な土と入れかえるとともに,盛り土のところの東端──一番先端でございますが──の位置にするブロック積み擁壁の基礎を支持地盤に設置するよう指導し,安全性を確保することといたしました。この円弧滑りの技術的基準による安全率は,1.5以上とされております。当該施工部分の安全率は2.7であり,その差は1.2ポイントであるので安全であると判断したものでございます。  次に,当該造成地の排水対策でございますが,当該墓地造成地の雨水は地盤へ浸透することを防ぐため,各地盤ごとに適切な排水施設を設置いたしまして,造成地中央部に水を集めまして排水することといたしております。  また,地下水対策についても,盛り土の下の部分に集水管を魚の骨状の形で設置いたしまして排水することといたしております。  次に,観音台団地内における幹線水路の排水能力でございますが,観音台団地の幹線水路の集水面積は,約23.5ヘクタールでございます。計画降雨量は,1時間当たり120ミリと計算しております。流下能力の技術的基準での安全率は1.5以上とされております。当該幹線水路の流下能力は1秒当たり17.79立米で,当該流域から発生する計画流出量は,1秒当たり5.506立米でございます。  したがいまして,安全率は3.23であります。また,山林約1ヘクタールが造成されたことによりましての流出量は,造成前の山林時の1秒当たり0.2立米から0.3立米となり,この計画流出量は1秒当たり0.1立米の増加になるものと思います。  したがいまして,このときの安全率は3.23から3.17へ若干低下いたしますが,基準の1.5以上に比べまして1.67ポイント差があります。したがいまして,流下能力は十分あると判断いたしておるところでございます。よろしく御理解のほどお願いいたします。  以上でございます。
    ○議長(中本弘君) 建設局長。 ◎建設局長(横山良三君) 新交通システムの将来計画についてお答えいたします。  広島市域内におけます将来の新規軌道系交通機関につきましては,御案内のように公共交通施設整備長期計画策定委員会におきまして,これは仮称でございますが,東西線,南北線,西部丘陵都市線,この3ルートが昨年提案されたところでございます。この中で,西部丘陵都市から都心方面を連絡いたします西部丘陵都市線につきましては,己斐地区の面的整備を含む都市開発を前提といたしまして,西広島駅への導入が提案されているところでございます。  議員御指摘の西部丘陵都市から五日市方面への新交通システムの延伸につきましては,策定委員会におきまして西部丘陵都市と都心方面を連絡するという位置づけとは別に,今後の五日市地区の都市発展の観点から,将来軌道系交通機関の導入を検討する必要がある路線とされております。  したがいまして,五日市地区への導入につきましては,将来この地区の発展動向を踏まえまして検討することになりますが,その際湾岸部を東西方向に連絡します軌道系交通機関についても,あわせて考えていくことになろうと思います。  以上でございます。 ○議長(中本弘君) 教育長。 ◎教育長(池田正彦君) 2点について御答弁申し上げます。  まず,文化,スポーツあるいはサークル活動や,施設の情報を市民に広く提供することを目的として,平成3年の1月に文化創造センター,いわゆるアステールプラザでございますが,この中に文化情報センターを設置をし,文化,スポーツ,サークル等の情報提供システムを構築をしたところでございます。このシステムにおきましては,現在区役所,区民文化センター,区スポーツセンターなど33の施設とネットワークで結び,各種の施設案内や施設の空き状況あるいはイベントの開催状況などの情報を提供しているところでございますが,さらに市民の自主的な文化活動等を支援するためには,御提案の文化施設やスポーツ施設等の予約システムなど,総合的な情報システムを構築することが重要な課題であるというふうに考えておりまして,今後他都市の整備状況等も踏まえながら,検討してまいりたいというふうに考えております。  次に,内申書や指導要録について,開示をした場合,客観的で公正な評価がしにくくなることや,評価を本人が知ることによりまして,教師と児童・生徒あるいは保護者との信頼関係を損なうおそれがあることなど,学校教育活動等に支障が生じるというふうなことが考えられるわけでございます。  こうしたことから,仮に指導評価に係る開示の請求があった場合,非開示──開示をしないという方が適当であるというふうに判断をしているところでございます。また,文部省におきましても,指導要録は開示を前提としていないという見解を示していることについては,御承知のとおりでございます。  以上。 ○議長(中本弘君) はい,11番。 ◆11番(井口聰君) 二,三点,再質問をさせていただきますので,よろしくお願いします。  今,衛生局のただいまの答弁によりますと,請願採択後精査し,その結果を地元住民に伝え,また宗教法人にも円満な解決を図るよう指導したということでありましたが,今なおまだ住民の方は釈然としておりません。1月末に,地元住民代表から質問書が届いているはずでありますが,その回答期限が過ぎているのに,回答がされておりません。許可の取り消しができないなら,せめて地元住民の意思を十分に酌んで,誠意を持って答えていくのが温かい血の通う行政ではないかと思うんでありますが,これについてはどうお考えであられますか,よろしく御答弁を願いたいと思います。  また──これ答弁は要りません。提言します。57年のですね,今の7月22日夜,長崎市は想像を絶するあの集中豪雨によります死者,行方不明者合わせて262名,被害総額2,119億円を超えるという大惨事があったことは,皆さんが御承知と思います。この大災害から得た教訓と反省を風化させることなく後世に伝え,二度とこのような災害は繰り返さない決意を願いを込めて,長崎市は長崎市水害史というものを出しとるわけでございます。克明に記録されている資料であります。その中に,最大雨量は1時間当たり19時から20時,115ミリという記録があるわけです。その19時20分,20分の間の最初の大雨で土砂崩れが発生しているわけでございます。それからの状態で,各地では次から次へと山崩れがして,相当の被害をこうむったことは御承知と思います。この時間までに降った雨は,1時間当たりの降雨量から計算すると,たったの逆算しますと40ミリ程度のものであります。長雨により地下へ相当の水分が浸透した場合,土砂崩れが危険性が高くなることも水害の証明であります。土砂崩れは,土木工学上の安全率の計算とは違い,予想したことのない実態を招くものがあると思うのであります。現在の観音台団地には,約900世帯,3,300名の方々が居住されておるのであります。その方々の生命,財産を守るためにもですね,長崎市の水害を初め,他都市のこのような事例を調査して,再度検討されるべきではないかと思うのであります。安全を確保するためにぜひともこれは私は強く要望します。  参考に申し上げますが,長崎の7月15日0.5ミリ,7月16日21ミリ,7月13日31.5ミリ,7月18日41ミリ,7月19日8ミリ,7月20日243ミリ,7月21日ゼロ,こういう状態から,44ミリの大雨で土砂崩れということは,浸透性の非常に危険度をがあるということを頭に入れていただきまして,これを研究されることによって,今後ますますの御指導賜ることを強く強く要望して私の質問を終わります。 ○議長(中本弘君) 衛生局長。 ◎衛生局長(上田博三君) 議員御指摘の質問書でございますが,これはたしか本年の1月30日に受理をいたしまして,その内容が昨年9月と10月の2回の厚生委員会の答弁に関するものでございましたことから,正確を期すため,委員会の記録テープの聞き取りや事実関係の確認などを行いまして,質問の趣旨を踏まえた的確な回答書をつくるべく努めていたわけでございますけども,回答期限が過ぎましたこと,これは2月の15日だったと思うんですが,まことに遺憾に思っております。既に決裁が終了しておりますので,早急に文書によって回答をさしていただきます。 ○議長(中本弘君) 8番中原好治君。             〔8番中原好治君登壇〕(拍手) ◆8番(中原好治君) 私,中原好治は,自民党議員会を代表して総括質問をさせていただきます。  ちょうど今から1週間前になるんですが,2月の19日をもって私がもと所属しておりました第一自由民主党と自民党議員会が一緒になりました。それに先立って,会長の宮本先生が音頭をとられてさよならパーティーというんですか,会後昼食会を開かせていただきました。そのとき,非常に興味深い資料を御提示いただきました。それはですね,昭和22年の広島市議会議員の名簿,これを見させていただきました。昭和22年といえば,戦後の広島市がちょうどこれから始まるというときの議員の方々なんですけども,その選挙に当選された方々の名簿をこう見てますと,私宇品に住んでおりますので,いまだに名前がよく出てきます池永清真先生ですね──とか,参議院に出られた砂原格先生,こういった広島の戦後の歴史をつくってこられた先生方のお名前がありました。  そういう資料を見てまして,その中でも今でも元気に生活されてるといいますか,長生きされてる,こういった方が5名いらっしゃいます。1人は宮本先生,そのあと残りですね4人のうち3名の方,この方がやはりですね,昔は新進クラブといってたんですか,第一自民の前身の新進クラブの方。これを見てですね,新進クラブというのは長生きできるクラブだったんだなあということを感じさせていただいたんですが,もう一人ですね──4人のうち3人がそういうことなんですが,もう一人はですね何と社会党の先生で,これは皆さん御存じの前市長の荒木武さんということでですね,そういった中で,80歳を超えられたこういった昔の議員の方々と話をさせていただく機会がありまして,それぞれの議員方々がそれぞれの確固とした政治信念を持って,戦後のこの広島というものを引っ張ってこられたんだなあということを非常に痛切に感じました。  歴史とそして伝統を持ったこの広島市の政治と行政といったようなものを痛感したわけですけれども,今回の私の質問はそういう一つの時代を形づくってきたこういう広島の行政というものには,連続性も必要だけれども,それも大事な要素の一つだけれども,反面この50年,戦後50年の歴史の中でいろんなひずみが行政そして政治の中に出てきているなということで,そういったものを修正して,ある方向にまた引っ張っていかないといけない。こういった視点から質問をさせていただきたいというふうに思っております。  最近よく変化ですね,チェンジという言葉がよく使われております。先日,大統領に就任されたアメリカのクリントン大統領のキャッチフレーズでもありますし,今起こっておりますいろんな新しい政治運動,こういったものもその基本には,いわゆる変革といった一つの考え方を挙げておられます。  また,企業においても,そして私たちの政治行政,こういった政治行政の場においても,変わらなければならないという声が多く聞かれるようになりました。そういう私も,選挙中は保守か革新かではなく,現状か未来の選択だということを訴えてまいりました。そして,平岡市長も「きっと変えます広島」というキャッチフレーズで,広島市民の変化への期待を集められて市長に御就任された御経緯は,皆さん御承知のとおりだと思います。このことを言いかえますと,広島市民は,今の現状の延長上にある未来ですね,これにははっきりとノーだという意思表示を市長選でされたということが言えると思います。  それでは,そういう意思表示を市民がしたその次の作業として,何をどう変えるのかという変化への道筋,こういったものを明確に市民に示していくことが必要ではないか。就任されて2年がたち,現在任期の折り返し点に立たれているわけですが,今回の私の質問は,この変化ということをテーマに,市長さん初め理事者の皆様方に市政の諸課題についてお尋ねしてみたいと思います。  広島市はどうやったら変わるのかということは私常々考えておるんですが,人口が109万人,そして予算規模ももうしばらくすると1兆円という,こういう規模になる。そういった自治体の政治行政を変えていくということは,まずどうすればいいのかという点です。市長さんがまず変わられました。次には,各政策が変わってこないといけない。先日,今後3年間,平成5年度から平成7年度ですか,この広島市の実施計画が発表されました。これをよく見てみますと,事業数が227あります。そのうち新しい事業,新規事業,マル新が打ってある事業ですね,これが42,全体の比率としては18.5%です。さらに,私がつぶさに見て,平岡市長になってから新たに起こしたものということになると,目立っているものは,先ほど井口先生の質問にもありました広域経済圏についての調査,これくらいだなあと。あとは昔からの継続,これがほとんどだなあということを感じました。  このように,自治体の方向変換,方向転換というのは非常に難しいと私感じましたけれども,そう思う反面,市長さん頑張ってくださいと,さらに応援していかなければならないと思っております。しかし,市民は先ほど申しましたように,はっきりとこの現状に対してはノーだと言っているわけですから,ここのことは理事者の皆さんも真剣に受けとめていただかなければならない。  雑誌社でPHPというのがあるんですが,このPHPの出している雑誌で「THE21」という雑誌がございます。今回その特集記事で都市の実力番付,これは数値ではかるもんですから必ずしも正確だとは思えないんですが,一つの指標としてですね,お伝えしたいんですが,広島市は8位,番付でいうと小結だというふうな現状でした。ところが,10年後にはいろんな数値を合わせて計算すると,経済力の大きさ,そして経済力の質,これが両方とも小ぢんまりとして経済的な余裕と精神的な余裕,いわゆるこれは生活の豊かさというものですね,これが大きく落ち込んで,さらに人気,人気というのは転入してくる人口と,日本経済新聞への露出度,どれだけ広島に関する記事が出たか,そして全国の主婦の皆さんへのアンケート等ではかったものですが,これがさらに大きく落ち込むということで,合計してトータルしますと10年後には9位になると。9位というのは,番付でいうと前頭ですから大したことないというふうに思うんですが。私はこの数字を見まして,経済的な余裕と精神的な余裕,いわゆる生活の豊かさですね,これが低下するという,この点に非常に問題意識を持ちました。このような客観的なデータを見ましても,これまでの延長線上には未来はないんだということは明らかだと思います。  そういう意味も込めて,平岡市長の今回の御答弁には,先ほど申しました変化の予兆でも感じさせていただきたいというふうに思っております。  それでは,具体的に聞いてまいりたいと思います。  まず,今回の予算編成についてでございますが,景気の落ち込みが強く影響して,法人市民税が今回12.7%落ちております。そして,その落ち込みを財政調整基金から50億円,都市整備事業基金から160億円,減債基金から42億円,繰り出しを行われているわけですが,今後の中長期的な財政運営に支障はないのかという点です。  そもそもこういった基金ですね,いわゆる貯金だと思うんですが,この基金の──基金というのは将来に備えてためておくものだということはわかるんですが,手元にこれだけは持っておかないといけないという意味での基金の適正規模,こういったものがあるのかどうかという点についてお答えください。  また,来年度ですか,今回は昭和61年の円高不況以来第2回目になるんですけれども,減収補てん債というのを34億5,000万円発行されております。市債の発行は慎重に行いなさいという決算特別委員会の委員長報告が出ているにもかわらず,今回こういう減収補てん債を発行するという決断をされた根拠は一体どこにあるのかという点についてお答えいただきたいと思います。  私は,この補てん債を発行するという決断,選択は市長の御意思だと思いますけれども,ひとつ広島市の将来的なあり方として,広島市は減収補てん債,こういったものは一切発行いたしませんと。市債というものは市民に借金をするということですから,そういういわゆる借金経営は広島市はしていかない。市債は今後なるべく発行しないようにして,健全な財政運営を維持していきますということですね。もちろん,そうなると政令指定都市になって10年間で財政規模が2.5倍になるようなこともないし,今までのように大規模プロジェクトを大きく運営していくようなこともできないかもしれない。しかし,後世に借金を残さない行政,むしろ政治とかあるいは行政とかいったものの効率を高めて,やるべきことをやりながら予算は残しておくというふうなことにする。予算を残して,なおかつ所期の目的を達成した局や課,こういったところには表彰する。経済成長によってふえた市税の増収分は,それこそ基金に積み立てて減税に充てていきたいところですが,制度上それが無理なら公共施設の使用料をただにしていくといったようなことですね,そういったことを自治省にきっぱり言って,広島市はこういう方針でこういうふうにやっていくんだという独自の財政運営を主張していく方法も一つの選択肢としては考えられるんじゃないか。そういうことによって広島市は住みやすいよと,税金が安いと,公共施設が安いということで,転入人口がふえてくるかもわからない。そういうふうなことも一つ選択肢として考えられるんじゃないかということを思います。  次に,都市ビジョンについてお聞きいたします。  中枢性について,広域都市圏の形成について,魅力あるまちづくりについて,アジアとの国際交流について,数々の調査研究を今進められているところだと思いますが,私その中でも最も重要だと思っております広島新世紀都市ビジョン懇談会,これが昨年つくられまして,今まで2回ほど会議が開かれたように聞いております。議論の内容は,新聞紙上等で見るぐらいですけれども,活発で大胆な議論がなされているように聞いております。  都市ビジョンというのは,アジア競技大会後の広島市はいかなる都市を目指すのかという一つの方向性を指し示すものですので,未来の広島市をある意味で規定していく非常に重要なものだと思います。そのことを平岡市長が手がけられたということを聞きまして,いよいよ変化が始まると期待をしている一人でございます。ただ,そのことが変化の方向性をある程度決めていくものだということで,決めるのは市長さんが決めていかないといけないんですが,広く市民レベルでの議論をしていく,こういったことも必要だと思います。そういう意味で,今回は市長はいかなる都市ビジョンを持っているのか,御自身の御見解をお聞きしたいと思います。  私は,広島市を変えるという観点からすると,今までのように各施策を総花的につなぎ合わせるということですね,例えば,国際平和文化都市という広島の都市像は,そういう各施策をつなぎ合わせたものだというふうに思うんですが,そういったものではなくて,市民にとってわかりやすい言葉で,こういう都市を目指すんだというふうなことを言っていただきたい。  先日結成されました平成維新の会の大前代表さんふうに言えば,行政側の提供者の論理ではなくて,生活者の論理に立ったわかりやすいビジョン,これを打ち出していただきたい。例えば,宮沢首相が提言されております「年収の5倍で,30分通勤圏内」にマイホームが持てるような広島市にしますということですね。そうすれば,今やっております都市機能の充実のために,地下街や地下鉄といったものをつくっていくことよりも,周辺部の宅地開発とそして遠距離交通機関,こういったものをさらに充実させていく。そして,埋め立てをどんどん進めて都心機能の多極分散を図っていくというふうに,おのずとやるべき施策というものは決まってくるのではないか。あるいは,これとは全く逆なんですが,都市間競争には勝ち抜いていくと。札幌,仙台,福岡には絶対おくれをとりませんというふうなことも一つの都市ビジョンではないか。そのためには,どんどん地下街をつくって,地下鉄をつくって,ますます都市機能を集中させて都心部に住宅を供給していくというようなこともやらなければならない。あるいは,高齢化社会に対応した都市の先進事例をつくるんだと。お年寄りが,お年寄りになったら広島市に集まってくるような都市を目指すんだというふうなことですね。あるいは,先ほども出ました税金や公共施設の使用料が日本一安い都市を目指すんだというふうなこと。こういったことが,そういう都市のビジョンに当たるというふうに私自身は考えております。  また,後でも触れさせていただきますが,広島市では創業者,企業をこれから起こしていこうという人間に対する支援策が全国一充実していて,あそこに行けば独立して企業が起こせるんだというふうな都市ですね,こういったもの,こういった一つの都市ビジョンといったものを今回ぜひ市長さんのお考えをお聞きしたいというふうに思います。  私は,今申し上げました都市ビジョンが全部同時に実現できるということはあり得ないと思っております。逆に先ほど述べました財政的な観点からいっても,一つを立てたらほかが立たないというふうな時代になってきていると思います。抽象的なかけ声と提供できるメニューをできるだけたくさんそろえて,それを市民に示していけば市民が満足していた時代はもう終わったと,そういうふうに私自身は思っております。平岡市長は一体何をこれから目指されるのか,1期目の任期の折り返し地点でぜひお聞かせいただきたいと思います。  こういった議論を起こしていってもらいたいと思います。市民はそれを待っておりますし,いい提案を持っている市民もたくさんいると思います。  この都市ビジョンという問題に関連して1点,具体的な案件をお聞きしたいと思います。これは市長さんが最もやりたいことの一つだと思いますけれども,駅前再開発についてでございます。  Aブロックの方も軌道に乗って,いよいよ事業に着手するという段階に来ていると思いますが,Bブロックの核テナントとして予定していた西武が,計画をおくらせるという事態になっているということをお聞きいたました。この件について事実関係はどうなっているのか。西武は,核テナントとしてBブロックに参加していく意思に変わりはないのかという点について,お答えいただきたいと思います。  次に,景気対策と経済,特に中小企業の活性化についてお聞きいたします。  今までは変化というテーマで,どうやったら広島市は変わるのかという議論をしてまいりましたが,変わってはならない部分,すなわち最も重要な部分だと思うんですが,この部分がこの経済対策ではないかと思います。  昨年末に,景気対策ということで経営安定資金融資,設備近代化資金融資と2種類の特別利率での緊急融資制度を実施してまいりましたけれども,利用実績はいかがなものでしょうか,お答えください。また,現状が当時よりもさらに景気が落ち込んでいると私は認識しておるんですが,当局の認識はいかがでしょうか。さらに景気が落ち込んでいるとすれば,その現状認識を踏まえた上で,融資の負担軽減措置を行っていかないといけないと思うんですが,その点について考えられているのかどうか。また,その他この平成5年度に消費喚起といった経済政策,景気対策として考えられていることがございましたらお聞かせください。  経済という分野は,橋をつくったり道路をつくったりという政策とは違いまして,これだけの費用をかけたからこれだけの効果が出るというものではないという点で,非常にやりにくい分野だと思います。しかし,今日のように景気が落ち込んでしまった場合にどうするのか,どういう対策を打っていくのかということです。いろんな施策を行ってみて,その成果を十分に積み重ねていく,そして広島市の経済の実態を十分に把握していく,こういったことをやることによって,ある程度の広島版の景気対策マニュアルといったものをつくっていかなければならないと思います。今,これくらい景気が落ち込んでいるからこれだけの融資と,こういった施策を講じたらこれだけの効果が上がるんだというものを,ぜひ考えていただきたいと思います。  それともう一つ,新しくビジネスを興そうとしている人たちへの支援であります。  最近,私の周りでも独立して会社を興したいという人間がふえております。そういった方たちが求めているものは,いろんな業界,いろんな業種の情報現状分析といったことと,事業化に向けてのフィジビリティスタディー,選挙でいうと瀬踏み行為ということになるんでしょうか,そういったことについては広島市の第3次基本計画においてメセコン関連サービス,デザイン関連サービス,情報関連サービス,人材育成関連サービス等の高次サービス産業の振興育成に努力していくんだという方針が述べられておりますが,こういった事業について,特に創業,ビジネスを興していこうという志を持っている者への支援策は考えられているのか。平成5年度に考えられている取り組みはどのようなものであるのか,この点についての御見解をお聞かせください。  第4点目は,アジア競技大会についてであります。  先日,中国新聞の「声」欄に,中学生がアジア競技大会にのために黄色い羽根運動のように募金運動をして,広く市民の参加を促してはどうかという投書が載っておりました。資金不足が言われている大会運営ですので,これらのことはぜひ実現していっていただきたいと思っております。  今回は,バッジをつくって市民に広く募金を呼びかけていく運動を進めていくとお聞きいたしておりますが,そのアピール方法,目標としている募金額,実施していく期間についてお答えください。  また,先日2月6日の中国新聞に非常に気になる記事が載っておりました。アジア大会の大会運営要員に関して,自衛隊協力は最小限にするという見出しで輸送,通信など400人に絞るというものでございました。新聞記事にもありましたように,昨年の山形国体で430人という実績がある。こういった数字で見てみますと,国際的なイベントにしては少な過ぎるなというふうに思います。記事の中でも,組織委員会の伊藤次長が,自衛隊でなければできない業務に限って要請していくつもりだというコメントが載っておりましたが,私まさにそのとおりだと思います。基本的には,自衛隊と組織委員会が十分に協議して,自衛隊のできる業務と組織委員会が要請しないといけない業務を積み立てて,そして協議していく,こういったことが必要だと思います。また,自衛隊側も国際的なイベントであり,協力は惜しまないという基本的な考え方でいるようにも聞いております。そういった中で,最小限に抑えるという方針をコメントするということ自体,異常な反応ではないかと思います。このことについての当局の見解を求めます。  最後に,ことしか来年早々には予定されております衆議院議員選挙に関連してお尋ねいたします。  今回の選挙は,私の今回の質問のテーマでもあります変化という観点からすると,非常に重要な選挙になってくると思います。そういった意味からも,一つ気にかかっている点といたしまして,投票率の低下ということがございます。平成3年4月に施行された統一地方選挙の投票率は,全体で55.55%,昨年7月に行われました参議院広島県選出議員選挙,これでは43.37%と選挙の投票率が年々落ちてきております。このことは,第一義的には我々政治家の責任だということなのでしょうが,制度上投票率を上げていく工夫はできないものかという観点から二つお尋ねしたいと思います。  一つは,若者の投票率を上げていく努力についてであります。先ほど申しました統一地方選挙の例を挙げますと,20歳から25歳,これが投票率35.9%,26歳から30歳,これが39.4%と非常に低くなっております。こういったことに関して,行政として対策は何か考えていらっしゃるのか。  そして,第2点は投票所の問題でございます。現在は,町や町内会単位で選挙の投票所を決めておりますから,私の場合もそうなんですが,目の前に投票所があるにもかかわらず,2キロ離れた投票所に行かないといけないというケースが,いろんなとこで出ております。こういった点の改革を通して,1%でも投票率を上げる努力をしていっていただきたいというふうに思います。この点に関しての御見解をお聞かせいただきたいと思います。  以上,数点にわたりまして御質問いたしましたが,誠意ある御回答をよろしくお願いいたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(中本弘君) 市長。             〔市長平岡 敬君登壇〕 ◎市長(平岡敬君) まず,都市ビジョンについてお答えを申し上げます。  私の都市づくりの基本的な考え方といたしましては,所信表明でも申し上げましたとおり,国際平和文化都市の実現に向けて住みよい広島,そして活力ある広島,さらには平和に貢献する広島を柱とする,市民のだれもが安心して生き生きと暮らせる人間性豊かな広島市の実現を図りたいと,こういうことでございます。  21世紀を展望いたしまして,広島市が中国・四国地方全体の発展を牽引する役割を果たし,世界に誇り得る都市となるためには,高次都市機能の強化や地域経済の活性化を図ると同時に,にぎわいと潤いのある都市の魅力づくりを進めるなど,ハード,ソフト両面にわたって広島市の特性を生かした個性的なまちづくりを進めていく必要があると考えておるところでございます。  近年,大変激しい都市間競争の中にありまして,大都市では都市像に基づく都市建設を進める中で,平成元年の名古屋市のデザイン都市宣言あるいは平成4年の福岡市のアジアの交流拠点都市,こういったようにキャッチフレーズや都市づくりのためのコンセプトを設定いたしまして,各種プロジェクトを展開する事例が見受けられます。  本市におきましては,平成6年度までに主要な大規模プロジェクトが完了もしくは軌道に乗っている状況にあると,このように考えられます。このために,アジア競技大会終了後の21世紀に向けた新たなプロジェクトを含む都市づくりのビジョンの策定が必要であると,このように考えているわけであります。この都市ビジョンづくりに当たりましては,さきに述べました他都市の事例のように,キャッチフレーズや都市づくりのためのコンセプトを明確にさせた上で,各種プロジェクトを展開していく必要があると考えておりまして,広島市の特性を生かし,時代に即した新たな都市づくり構想のキャッチフレーズ,市民にわかりやすいコンセプト及びそれに応じたプロジェクトが必要であると考えております。つまり,未来へのシナリオを書こうと,こういうわけであります。  アジア競技大会終了後の21世紀に向けた新たな都市づくり構想のキャッチフレーズ,コンセプト及びそれに応じたプロジェクトにつきましては,現在ひろしま新世紀都市ビジョン懇談会において検討をお願いしております。多くの方々からいろいろなお知恵を出していただきまして,それをまとめてまいりたいと,このように考えておりますので,御理解賜りたいと思います。  次に,景気対策につきましてであります。  本市の景気動向につきましては,昨年の後半から減速感が強く見られるようになりましたことから,景気対策として公共事業の繰り上げ実施のほか融資額の拡大あるいは貸出限度額の引き上げ,さらには貸出金利の見直しなどの中小企業金融対策の充実に努めてきたところでございます。しかしながら,現在の本市の景気は住宅着工が回復基調にあるというものの,百貨店売上高が昨年8月から前年比減を続けているほか主要企業の生産販売が減少し,企業の景気予感の冷え込みが進んでいるなど全般的に低迷が続いているところであります。こうした状況に対処しまして,中小企業の負担軽減を図るために,本年3月1日から本市の融資制度の貸出金利を0.4ないし0.6%引き下げることといたしております。さらには,平成5年度におきまして,単独公共事業の積極的な拡大や公共事業の前倒し実施に努めるほか,中小企業に対する融資制度の充実のために融資枠の拡大,これは前年度比で12.7%になろうかと思います。それから,小規模事業融資の貸付限度額の特例措置の適用期限を延長していく。緊急融資の特別利率の適用期間を延長する。それから,創業支援資金融資の創設をする。経営安定資金融資等の保証料率の引き下げを図る。こういうことを行うとともに,市民の購買意欲を喚起するために県内製品の愛用運動,商店街の共同施設整備事業補助,それから巡回店舗演出指導,こういったことを行いまして積極的な景気対策を講じることといたしております。  その他,詳しいことにつきましては,また関係局長から答弁をさせます。 ○議長(中本弘君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(白崎徹也君) アジア大会に関連しまして2点お答え申し上げます。  まず,募金に関してでございますが,広島アジア競技大会推進協議会におきまして,大会機運を一層盛り上げるとともに,大会への参加意識の高揚を図る,こういうことを目的にいたしまして,大会開催の3年前に当たります平成3年10月2日から,ポッポ&クック募金という名前で募金を実施いたしております。これまでに民間企業や団体等の協力を得まして,約1,500カ所に募金箱を設置いたしました。また,各種イベントへの募金箱の貸し出しなども行ってきているところでございます。平成5年度からは新たに定額の募金という名前をつけまして実施を予定いたしております。これは,一定額以上の募金をいただいた方に対しまして,特製のバッジを交付する,こういうことによりまして募金活動をさらに推進しようとするものであります。  具体的な方法としましては,経済,体育,教育,地域,労働,報道関係などの団体の関係者で構成いたしております推進協議会,この推進協議会の加盟組織を通じて行うことといたしております。また,募金箱を設置している施設の管理者の協力も得て実施することもあわせて検討いたしております。  こうした募金を開始するに当たりましては,ポスターや行政の広報紙など,またマスコミの協力を得るなど幅広いPRに努めることにいたしております。  募金の目標額につきましては,現在実施いたしております募金箱による募金活動とあわせまして,1億円以上お願いしたいと考えておるところであります。  実施期間につきましては,バッジの製作や関係機関との調整が整い次第,早い時期に開始をいたしまして,大会が終了するまで行うこととしたいと考えております。  それから,大会運営につきましての自衛隊に対する協力の依頼の問題でございますが,大会運営要員の確保に当たりましては,大会運営上必要となる業務内容に応じまして学校や地域団体など幅広く市民各界各層からの協力を求めることといたしております。  御意見の自衛隊に対しましては,基本的には市民や県民など一般の方々で対応することが困難な業務,つまり自衛隊の持っております高度な装備等を活用する場合,また自衛隊の統制された隊員の組織力や,過去いろんなスポーツ大会での支援をされておられますので,その支援実績を通じて蓄積されております独自のノーハウ,こういう組織力やノーハウなどを生かせる業務につきまして支援をいただきたいと考えております。これまで組織委員会と自衛隊の間で協議を進めてきているところであります。具体的には,礼砲の発砲,通信,救助等の業務,こういうもののほか射撃,馬術,ヨットなど特殊な競技用施設の設置,管理等の業務に必要な要員の御協力をお願いをしている段階でございまして,現段階ではまだ協議を進めているところでございますので,御理解賜りたいと存じます。 ○議長(中本弘君) 財政局長。 ◎財政局長(石橋正行君) 財政関係のうち,まず財政調整基金や都市整備事業基金の適正規模と現状をどう認識しとるかという点についてお答えいたします。  財政調整基金は,御承知のように経済事情の著しい変動等による財源不足を補てんするためのものでございまして,本市の財政規模から見まして100から150億円程度が必要であろうと。少なくとも100億円程度必要であるというふうに考えております。  なお,平成4年度末の残高の見込み額は約102億円でございまして,新年度の当初では50億円を取り崩すよう今お願いしとるとこでございますけども,決算段階では不用額等が生じますので,取り崩し額を調整いたしまして,5年度末残高も100億円程度確保したい,このように考えております。  次に,都市整備事業基金につきましては,これは大規模な都市施設の整備のための財源でありまして,計画されている大規模プロジェクトの事業費や,それが必要となる年度によって適正な規模というものは変わることになります。  それから次に,現在の基金の状況を踏まえて,今後の中長期的な財政運営は大丈夫かということでございますけども,まず平成6年度までは御案内のように市立大学の建設,新交通等アジア競技会関連の公共事業等が集中しておりますけども,これは現在の都市整備事業基金で対応可能であるというふうに考えております。今度アジア大会後でございますけども,引き続き宇品,出島沖地区の開発あるいは草津沖の埋め立てであるとか,軌道系交通機関の導入などのプロジェクトに取り組んでいくということになろうと思います。その見通しといたしましては,今後のそりゃあ経済情勢にもよりますけれども,ただいま申し上げました新交通システム,あるいはアジア競技大会関連の事業が終息するということで,実施可能であるというふうに考えております。  それから次に,市債はなるべく抑えるべきだと。それから,減収補てん債を発行した考え方についてでございます。  まず,市債につきましては御指摘のように市債の増加は将来財政の硬直化の要因ともなりますので,その運営に当たりましては十分な配慮が必要であるという認識を持っております。しかし一方では,限られた財源の中で,さまざまな公共事業を実施していくためには,市債の活用は不可欠でございます。また,将来にわたり効用をもたらす公共施設整備の費用負担につきましては,世代間の公平を図らにゃいかぬという視点もあるわけでございまして,これは市債の持つ一つの機能であろうかとも思うわけでございます。そういった視点からも,十分な配慮は必要でございますけども,市債の活用はやはり必要であるというふうに考えております。  次に,減収補てん債についてでございますけども,この減収補てん債というのは,平成4年度におきまして金利が非常に低うなったと。そのために利子割交付金が非常に減ったわけです。それからもう一つは,不況を反映いたしまして法人市民税の大きな減収が見込まれると。これはもう,全国の自治体共通であったわけでございますけども,そのために公共事業の執行に財源の不足が生じたと。そういったことから,国においてそういった利子割交付金あるいは法人市民税の減収見込み相当額について,いわゆる減収補てん債の発行を認めると。それを使って公共事業の執行をやれと,こういう方針が出たわけでございます。その償還額については,将来その75%を地方交付税で措置するということが国の方針として定められたわけでございます。そういったことから,本市におきましてもこの制度を活用いたしまして,34億5,000万円の減収補てん債を発行することとしたところでございます。  仮に,じゃこの減収補てん債を発行せずに,財源不足額を基金のいわゆる取り崩しで対応した場合,減収補てん債を発行した場合と同様の地方交付税が3カ年で国から来ることにはなります。そういった意味では,減収補てん債を発行しようとすまいと,地方交付税が来る額は同じになるわけでございますけども,御案内のように本市の場合には平成6年度のアジア競技大会の開催や,アジア大会後の各種のプロジェクトの具体化など今後の財政運営を考えた場合に,基金にある程度余裕を持たせておいた方が得策であると,今後弾力的な財政運営ができると,そういった中長期的な視点からの判断で減収補てん債を発行するものでございますので,御理解いただきたいというふうに思います。 ○議長(中本弘君) 経済局長。 ◎経済局長(樋渡敬宇君) まず,景気対策の融資実績でございますけども,市の方で特別率を適用するというふうに認定いたしました数値が2月23日現在で合計63件の,金額的には8億7,570万円でございます。内訳としては,経営安定資金に係るものが55件の6億5,770万円,設備近代化資金に係るものが8件の2億1,800万円でございます。そのうち,既に融資を実行いたしましたものが,ちょっと時点が1月末でしかとらえられてないんですが,10件の1億2,850万円でございます。これはいずれも経営安定資金でございます。  それから次に,高次サービス産業の創業支援についての御質問にお答えをいたします。  広島の都市機能を高めるために,高次サービス産業の育成,振興というのは重要な課題であるということでございまして,特に近年の高度情報化の進展に伴いまして,情報通信基盤の整備や情報システムの構築とともに,情報関連サービス産業の振興を図ることが必要となってまいりました。また,一方で消費者ニーズの多様化,高度化に伴いまして,企業にとってすぐれたデザインによる製品の高付加価値化が課題となっており,企業のデザイン活動を支える関連サービス産業の育成が急務となっておるというふうに認識いたしております。こうしたことから,新年度におきましては情報関連サービス産業とデザイン関連サービス産業につきまして,その創業を支援することとしたいと考えております。  創業支援につきましては,その創業時の資金の融資をするということにとどまらず,従来の私どもの創業に対する相談の経験等を踏まえまして,創業に当たって必要となる各種の経営情報の提供とか,経営の成立性等についてのアドバイスを行う事前の企業診断,こういうものをあわせて実施いたしまして,創業を支援してまいりたいと考えております。 ○議長(中本弘君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(加藤英海君) 広島駅南口Bブロックの市街地再開発事業についてお答えいたします。
     広島駅南口Bブロックの再開発事業につきましては,昨年の1月に法定組合が設立されまして,現在組合では土地とか物件調書の作成,基本設計等の権利変換計画の作成のため,諸作業を進めているところでございます。  最近の経済情勢の変化等から,資金計画,事業計画の見直しを行う必要が生じてきたわけでございまして,これに日時を要しているところでございます。また,核テナントである株式会社西武百貨店の出店につきましては同社からは,厳しい経営状況にありますが従来からの出店に対する姿勢に変わりがないと聞いておるところでございます。  以上のことから,組合では平成8年の完成を目標に,関係権利者との権利調整や核テナントとの調整に積極的に取り組むなど鋭意努力されておるところでございます。本市といたしましても,本再開発事業の推進につきまして組合に対し,積極的に指導,支援してまいる所存でございます。よろしくお願いします。 ○議長(中本弘君) 選挙管理委員会事務局長。 ◎選挙管理委員会事務局長(長谷川順通君) 投票率の向上につきまして御答弁申し上げます。  御指摘のように選挙の投票率は低下してきておりまして,特に次の時代を担う若い人の投票率が低いことは,まことに残念に思っております。  若い人を対象とした啓発事業といたしましては,現在各種政治教養講座の開催,20歳の直言の募集,選挙啓発冊子の配布,それから若い人からの選挙啓発標語の募集等の事業を行っておりますが,今後は中学3年生を対象とした社会科の選挙副読本の配布など若年層を対象とした啓発事業も取り入れまして,幅広い啓発活動を進めていきたいと考えております。  次に,投票区の見直しについてでございますが,投票区の定め方は,自治省の指導によりますと,選挙人の住所から投票所までの距離は3キロメートル以内,選挙人数はおおむね3,000人以内で,地形,交通の利便等を考慮して定めることとなっており,本市におきましてはこの指導をもとに,学区,町内会等地域のコミュニティー活動の範囲も考慮しながら,投票区を定めてきた経緯がございますので御理解賜りたいと存じます。  以上でございます。 ○議長(中本弘君) 8番。 ◆8番(中原好治君) 何点か聞きたいんですが。  都市ビジョンについては,私は懇談会で例えば答申が出るというふうなことになった場合には,なかなかそれを変えていくということは難しいというふうな観点から,こういう考え方もあるというふうな意味で申し上げたつもりなんですが,基本的には市長さんが広く市民各層の意見を聞く機会を設けられていることや,お人柄等信頼しておりますので,これからこの都市ビジョンですね,変えるという,変化という視点からもですね,ひとつ頑張っていただきたいというふうに思います。  1点,これだけはちょっと聞きたいんですが,アジア大会の関係で,現段階で大会運営要員ですね,自衛隊の協力は今何人ぐらいになっておるのかという数字が出れば,お願いしたいと思います。 ○議長(中本弘君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(白崎徹也君) 先ほどお答えいたしましたとおり,現在組織委員会と自衛隊との間での協議を進めております。まだ協議の途中でございますが,いろいろお願いをしているわけであります。大体規模につきましては,400人から500人程度になるのではないかということでお願いをし,調整をしているところでございます。  ─────────────────────────────────            休   憩   宣   告  ───────────────────────────────── ○議長(中本弘君) この際,暫時休憩をいたします。              午前11時58分休憩  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜              午後1時09分開議              出席議員  41名              欠席議員  21名 ○副議長(海徳貢君) 出席議員41名であります。  ─────────────────────────────────            開   議   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(海徳貢君) 休憩前に引き続き会議を開き,総括質問を行います。  16番福島和宏君。             〔16番福島和宏君登壇〕(拍手) ◆16番(福島和宏君) 私は,公明党を代表して総括質問をいたします。  今時代のキーワードはと問われれば,大半の人が変革と答えるでありましょう。かっての保守革新というイデオロギー対決は色あせ,政権政党たる自民党の内部でも旧守派,改革派などと色分けされているように,価値観の多様化と国民の政治意識の変化は政治,経済を初め社会のあらゆる分野に及び,私たちはかって経験したことのない変化,変動の時代を迎えております。加えて,46歳のクリントン大統領が誕生し,クリントン効果とも言うべき世代交代の波を起こし,草の根の若い力を押し上げる現象となってあらわれてまいりました。  山口県柳井市や福岡県八女市では,全国最年少の34歳の市長が誕生し,また先日は県庁所在地都市で最年少の41歳の徳島市長が誕生というニュースに如実にあらわれていることは御承知のとおりであります。  これらの現象は,市民が市政の主人公として政治の流れを変えたいと願い,政治に変化を求める国民の期待に声の反映でありましょう。その意味で,2年前の市長選挙で過去最高の27万票という多くの市民の期待を背負って登場された平岡市長さんは,まさに広島を変えたいと願う広島市民の希望の星なのであります。市長さんは,平成3年2月27日の初の議会での所信表明の締めくくりの中で,市民に開かれ,市民の力を生かした市政を目指すと,市政運営の決意を述べられ,任期4年の平岡市政がスタートいたしました。今折り返し点に立ち,いま一度市長さんの市政に取り組まれる基本姿勢についてお尋ねをしたいと思います。  第1は,市民に開かれ,市民の力を生かした市政実現のためにどのような御努力をされてこられたかお伺いいたします。  私は,市長さんみずからが問題の現場へ足を運び,ともに汗をかくという平岡スタイルで課題に取り組んでおられることは十分承知いたしておりますし,市民との直接対話の場として施設見学会や本庁舎でのロビーコンサートなども高く評価をいたしております。ただ,より開かれた市政,市民が身近に市政を感じられるようにするために,二,三,注文をつけさせていただきたいと思います。  その第1は,市政をわかりやすくするため,結果責任を明確にしていただきたいということであります。  いろいろと約束され,決意されたことについて,ある程度結論が出ればはっきりと市民向けのコメントを発表していただきたいと願うものであります。  例えば,現空港の存続問題について,平成3年12月議会で初めて東京便の存続を含む現空港の存続を表明され,懸命の御努力をされたことは私たち議会も市民も十分に承知いたしております。しかし,結果としてコミューター空港としての存続が決まったこともまた冷厳なる事実であります。つまりペンペン草が生えることは避けられた。しかし,東京便は残らなかったということであります。多くの市民は東京便存続に期待をいたしましたが,跡地問題協議会の結論は,残念ながらコミューター空港としての機能のみでありました。市長さんが強く望まれた東京便の存続という当初の目的は達成されなかったと正直にわかりやすく市民に語りかけ,あえて市民の批判をお受けになる勇気が必要であると考えますが,いかがでありましょうかお伺いいたします。  また,電車,バスの無料パスの問題についても,私は回数券方式を選択された市長さんの決断を評価いたしますが,市民になぜそうなったのかという経緯,また福祉施策全般の中での位置づけも含め,わかりやすい説明が必要ではないでしょうか。市長さんのお考えをお聞かせください。  もう一つ注文をつけさせていただくならば,もっと議会で積極的に発言をしていただきたい。なぜならば,市民代表である議会でのオープンな対話こそが一番の対話であり,市政の活性化にもつながると考えるからであります。今回質問するに当たって,平成3年,平成4年の本会議の市長答弁を読み返してみました。すると,市長さんが好んで答弁される得意な分野があることがわかります。最も多く答弁されているのは平和の問題であり,次いで空港問題であり,被爆50周年への取り組みの課題であり,電車,バスの無料パス問題,駅前再開発の問題等々であります。私は,これらは市長さんみずからが手がけておられ,比較的問題の急所を肌で感じておられる課題だと思うからであります。もちろん市政は多岐にわたりますので,すべてを一度に理解せよとはお願いできませんが,できる限り積極的に御発言をされるようお願いをいたします。だからといって,答弁書の棒読みは避けていただきたいと思います。  また,議会の質問には各区の地域の課題が出されますが,残念ながらこれらにはほとんど御答弁をされておられません。しかしながら,こうした地域の道路や交通等の課題こそ市民の切実な願いなのであります。これらの問題についてもぜひ現場へ足を運ばれ,市長の口から問題解決への決意が語られるならば,市民の市政への信頼と期待も一層高まっていくものと思いますので,積極的な対応を期待をいたします。市長さんのお考えをお尋ねいたします。  次は,平和の問題であります。  平和に貢献する広島実現についてお尋ねいたします。  訴える平和からつくり出す平和へというキャッチフレーズは,まさに革命的な響きを持って私たちの胸を打ちました。市長さんは,初めての議会での所信表明の中で,平和とは単に戦争がない状態にとどまらず,良好な自然環境のもとに人類が共存し,その一人一人が尊厳を保って人間らしく生活している状態であるとして,環境問題,人権問題,飢餓,難民問題など,幅広い課題にも取り組むことが平和をつくり出すことになると訴えられました。まことにスケールの大きな課題であります。この問題は,日本一国にとどまらず,全人類の課題でもあるだけに,一地方自治体の広島市がどこまでできるのか,またどこまでやれるのかという点に各方面の視点が注目を集まっております。これまでは人類初の被爆都市としての実相を原点に,核廃絶を訴えてまいりました。言いかえれば被爆国の立場,つまり被害者としての視点から加害者である,もしくは将来加害者になるかもしれない核保有国へ訴えるという努力が主体であったと考えられます。  本市がこれまで積極的に進めてきた世界平和連帯都市の活動も,もし核戦争が起きれば最も被害を受けるのは都市の住民であるというのがスタートではなかったでしょうか。今回市長さんがお考えになっているつくり出す平和の中身について,平和により幅広い意味を持たせ,活動の範囲を広げることは時代の要請であると考え,基本的に賛成であります。しかし,環境,人権,難民,貧困という課題には豊かな先進国,北と,貧しい開発途上国,南という南北対立の要素が含まれており,その場合日本は豊かな先進国であると同時に,多くのケースで加害者としての責任をも問われるテーマでもあります。従来の広島の反戦平和運動の限界が日本の戦争責任,つまり加害者責任を自己反省しないで,広島の被害のみを強調すると批判されて久しいわけですが,本当の意味での広島の世界化を図るためには,避けて通れない一つのハードルであると考えられます。  市長さんは,本年8月に予定される第3回世界平和連帯都市市長会議のテーマに,平和の構築と都市に役割を掲げ,幅広い論議を期待されているようですが,都市の役割をどのようにお考えでしょうかお尋ねいたします。  現在賛同都市66カ国,312都市のうち,いわゆる北の先進国の所属する都市は,サミット参加国,日本,アメリカ,イギリス,フランス,ドイツ,イタリア,カナダの7カ国とEC加盟の12カ国,それに北欧を加えた都市の数は239都市に上り,貧しい南の国は73都市にしかすぎません。つまりこれまでは豊かな市民生活を亨受するために平和を訴えてきた。いわば自分たちのための平和運動だと批判されても仕方がない面もあったと考えますが,今回新たに環境,人権,難民,貧困という問題の解決に取り組むとすれば,多くの北の豊かな国,都市がみずからの痛みを伴う平和への貢献が求められるわけであります。  こうした問題提起は画期的なことであり,まさしく平和に貢献する広島の平和施策の目玉として,つくり出す平和の中心になる視点であると私は考えますが,市長さんのお考えをお聞かせください。  しかし,平和問題の難しさは問題の提起をどう具体化するか,どう行動に移すかということであります。私は,市長さんの構想が具体的にいま一つ見えてこない原因に,受け皿づくりが欠けている点であろうと考えます。これまで被爆の実相を世界へ訴える活動は平和文化センターを中心に資料館,記念館が一体となって努力をしてこられ,一定の成果をおさめてきたと思います。今それに加えて,新しい発想,視点の壮大な平和貢献活動を同じ平和文化センターに求めても私は無理があるように思われます。将来的には,平成6年春に開学する広島市立大学の中に,平和に関する国際的な研究機関を設立し,対処すると言われております。しかし,大学院の整備にあわせてということですから,早くても平成10年以降の計画になりますが,開設の時期やスタッフの確保等,具体的な目安はあるのでしょうか。あるとすれば,市長さんの意思をどう具体化しようとしているのかお答えください。  平成5年から平成7年の実施計画を見ても,わずかに出てくるのは平和に関するデータベースの構築のみであり,その間この壮大なテーマは宙に浮くことになります。これでは夢と現実のギャップが余りにも大き過ぎると言わざるを得ません。この壮大なテーマへの取り組み方いかんによっては,多くの地方自治体の模範となり,地方の国際貢献のモデルケースにも十分成り得ると,私は考えておりますので,市長さんの率直なお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。  平和の問題の最後に,被爆建物の保存継承についてお尋ねいたします。  このたび被爆民有建物について助成制度が創設されましたことは一歩前進として一定の評価をいたすものであります。が,その前提となるべき公有,公の被爆建物について本市の意思表示が明確でないように思われますが,いかがでしょうか。常識的に考えれば,民間の建物ですら補助金を出して保存するのですから,公有,公の建物についてはみずからの責任において保存すると判断できるのですが,間違いではないでしょうか。とりわけ本市所有の建物の中で多くの市民から全体保存を求められているレストハウスについてはどのようにお考えになっているのかお尋ねいたします。  また,これに関連し,原爆ドームをユネスコの世界遺産リストに掲載するよう,市長さんみずから1月21日に国へ要望されましたが,今後の御決意と見通しについてお聞かせください。  次に,午前中も一部質問ございましたけども,本市の都市像についてお尋ねいたします。  本市の都市像は,これまで3回にわたる基本構想の改定の中でも一貫して国際平和文化都市と位置づけられてきました。本来都市像とは,まちづくりの最終目標でありますが,本市の場合具体的なイメージと直ちに結びつかないのが現状ではないでしょうか。通常国際都市といえば,東京,香港,ニューヨークなどのように,多くの人種,民族が共生している都市がイメージされます。また,文化都市といえば,京都や奈良のような歴史を感じさせる都市が浮かび上がってまいります。  市長さんは,昨年設置されました広島新世紀都市ビジョン懇談会で,この都市像の見直しを考えておられる旨の発言があったようですが,大いに結構なことであります。世界との距離が縮まり,情報に時間差がなくなっている昨今,国際化は世の中の常識であります。ゆとりと潤いのある生活を求め,文化に力を注ぐのも当然であり,一切の前提として平和が必要であることの重要性を認めない都市はありません。言いかえれば,国際平和文化都市とは最も平均的なまちづくりの目標になってしまったといっても過言ではないでしょう。21世紀まであとわずかになった今日,市長さんが都市づくりのコンセプトをお考えになりたいと思われるのは当然と考えます。その場合,何をコンセプトにするかについて,市長さんみずからのお考えを述べないで懇話会での活発な議論に期待をされているようですが,市長さんは広島市民の代表としてまちづくりのプランナーでもあり,コンダクターなのでありますから,まず御自分のお考えを明確にされ,その上で活発な議論を求めるのが本筋ではないでしょうか。市長さんのまちづくりのコンセプト,これまで本市が掲げてきた国際平和文化都市という都市像についての御見解をお聞かせください。  他都市の例を見ますと,名古屋市のように「住みたくなる町,名古屋」というまことに正直でダイレクトなコンセプトもあります。また,福岡市のように「アジアの交流拠点都市」というように,地域戦略的なイメージのものもありますが,本市の位置づけをどのように考えておられるのか,重ねてお尋ねいたします。  私は,広島が被爆の惨劇から不死鳥のように立ち上がり,見事に再生した都市,つまり「フェニックス都市,広島」,そして具体的なイメージとして,武力,剣の力ではなく,文化の力で平和を構築していく都市のあかしとして,まず人づくりに力を入れる教育都市,そして文化の薫り高い芸術都市,そして平和の祭典であるアジア競技大会,国民体育大会,そして将来はオリンピックをも夢に掲げるスポーツ都市を掲げてはどうかと考えますが,いかがでありましょうか,市長さんのお考えをお聞かせください。  次に,きれいなまちづくりについてお尋ねいたします。  1年後に迫ったアジア競技大会へ向け大会諸施設を初めとするハード面の整備はほぼ順調に進み,予定どおり大会を迎えられるようですが,ソフト面での準備はこれからが本番ということではないでしょうか。これまでの国威発揚型ではなく,広島らしい温かいホスピタリティー,もてなしの心をどうあらわしていくか,市長さんも心を砕いておられると思います。私は,アジア各国や日本国じゅうから集まる人々への最大のホスピタリティーは,クリーンな町,広島の実現であると考えます。市長さんの提案説明の中にも随所に,アジア大会を意識したごみのない清潔で美しいまちづくり,景観の整備,きれいな広島まちづくり,都市景観の向上,美しい広島の都市景観を形成するなど,都市美化に積極的に取り組む姿勢を述べられておられます。しかし,これらの対応について予算面で見ますと,ごみのないまちづくりを進めるとして,啓発活動に2,295万円,門前清掃運動の展開に2,553万円,街路ごみ容器の設置に1,457万円を計上,さらには電線類地中化事業としてのキャブシステムに2路線,中央通り,船入通り3億3,950万円,将来の景観指定に備え1,000万円の調査費を計上されているにすぎません。  私には,これだけの施策でごみのないまちづくりが実現するとは到底思われないのであります。あとはすべて市民のマナーアップに期待するというのでは,行政の無為無策ぶりをあらわすものではないでしょうか。私は,都市美化は精神論だけでは実現しないと考えます。行政としてできる限りの努力を払った上で,市民に協力をもっと呼びかけるのが必要であろうと思います。  そこで,3点にわたって具体的な問題を指摘したい。御当局の対応についてお尋ねをいたします。  まず第1は,道路や歩道,公園等の公共の場や施設に所構わず林立する不法看板,のぼり,政党掲示板等を野放しにしている状況にどう対処するのかということでございます。ガードレールやフェンスに針金でがっちり固定し,自分の所有地に設置している感覚で少しでも壊されようものなら,表現の自由の妨害だとわめく感覚は全く理解できません。また,これらをいつまでも放置しておく行政当局も職務の怠慢が指摘されても仕方がありません。市民が撤去を求めると,所有者の確認が必要と弁解する担当者,これではまじめな市民がばかを見るのではないでしょうか。あえてこれらのやからといいますか,彼らは違法と知りつつ市が野放しにしているのをいい事にして,あえて設置をしている確信犯と言えましょう。こうした悪質な違反者に対し,断固たる措置を求めますが,いかがでありましょうか。それとも求める私が間違っているのでありましょうか。アジア大会を目指してきれいなまちづくりの第一歩は,これら不法掲示物の一掃から始めるべきである考えますが,市長さんの御決意をお聞かせください。  第2は,公道上の不法占有物であります。中でも,公道上の占有が認められていない自動販売機のはみ出しが最近目立ってきているように思います。本来自分の用地内で設置し,自由に経済活動を行うのが常識でありますが,これまた路上にはみ出しても当然という顔で,注意をすると逆に食ってかかる人,また自動販売機設置業者のせいにする人など,マナーの低さには驚かされます。本市では,平成元年から平成2年にかけ実態調査をしたようでありますが,その後不法占拠は一掃されたのかどうか御報告を求めるものであります。  本市が是正指導をしてもこの2年間に是正に応じたのは全体のわずか38%にすぎないと聞いております。これでは公権力を持つ市の執行の姿勢に問題があると指摘せざるを得ません。特に,道路から道路上に60センチ以上ははみ出したもののみを是正の対象としておるようでありますが,なぜ60センチなのか,それ以下は見逃すのかということについてもお尋ねいたします。  最近,自動販売機業界もようやく自粛的に規制をしようという動きが出てまいりましたが,まだ動きは鈍く,いつになったら正常になるのか心配です。今後の見通しと対応についてお答えください。  第3は,電柱の添架看板の問題であります。都市美からいえば,将来的にはすべて電線類が地中化され,キャブシステムが完成すれば解決される問題ですが,全市にキャブシステムが完成するのには今のペースでいけば100年以上も先の夢物語になります。そこで,せめて通信,送電機能を持つ電柱として統一した景観にすべきであると考えます。  そこでまず,市長さんにこの電柱のある風景,しかも無雑作に看板の林立する風景についてどのようにお考えになっておられるのか所感をお伺いいたします。  次に,電柱の目的外使用についてお尋ねいたします。電柱は公益的事業,つまり電力,通信事業を営む上で必要だということで占用許可を受けているわけですから,幾ら道路法で認められてるかといって,目的外使用,つまり添加看板で莫大な収益を上げるという実態は見逃すわけにはまいりません。  例えば,1級地,市内の中区,東区,南区,西区が1級地に当たりますが,1級地の電柱の占用料は1本年間1,700円であります。これにNTTが共加しておれば年間430円が加わるわけです。大半は中電とNTTの共加ですから,年間2,130円が市に占用料として入るわけです。ところが,中電もNTTも自前の広告代理店を通し,電柱を広告塔として大いに活用し,莫大な収益を上げているのであります。しかも,中電,NTTの料金は話し合って決めたのでしょうか,統一されており,どちらも突き出し看板,巻き看板も同じ料金で月額1枚につき1,200円,つまり年間1万4,400円になるのです。その場合,本市の条例で添加看板占用料として広告代理店は本市に納める料金は4,500円です。つまり1万4,400円から4,500円を引きます差額の9,900円が中電のもうけとなります。つまり中電は電柱1本につき1,700円の占用料を納めても9,900円のもうけがある。実質8,200円が純利益になっているのであります。場所にもよりますが,1本の電柱に2ないし3枚の看板がかかっておりますから,全体的にはかなりの額になると予想されます。他人のふんどしで相撲をとるとは,まさにこのことであります。  確かに,かってネオンサインも電飾看板も大型広告塔もなかった時代に,電柱も一つの広告媒体として機能が認められていたかもしれません。しかし,現在はその機能もほとんど失われてきたばかりか,都市の美観を損なう存在になっていると思いますが,いかがでありましょうか。  欧米では,景観は大切な公共財産であるという意識が行政にも市民にも徹底され,美しいまちづくりとなってあらわれていることは市長さんもよく御承知のことと思います。本市の都市美のセンスあふれる対応を求めるものでありますが,いかがでありましょうか。今後の対応についてお尋ねをいたします。  次に,新交通システムについてお尋ねいたします。  先日市長の提案説明で,突然,しかも一方的に新交通システムの開業時期を平成6年9月初旬にする。そして,本通駅から広域公園駅までの全線同時開業する旨の発言がありました。本市は,これまで開業の時期,区間については,平成6年3月末までに本通駅から長楽寺駅までの既定区間,長楽寺駅から広域公園駅までの延伸区間は平成6年9月末という地元説明を行い,運輸省,建設省,両省の認可を得ていたと発表しておりました。市長さんの説明では,工事の進捗状況を勘案しと一言で片づけられておられますが,この方針をいついかなる手順で変更されたのか。その場合,開業の時期についていえば,沿線住民の最も大きな関心事でもあり,地域開発にもかかわる問題であります。かって地元説明会でも質問が集中した問題だけに,この理由を明快に,しかも詳しく御説明いただきたいと思います。  そして,何の工事のおくれが原因で,それはだれの原因で生じたのか,具体的に御説明いただきたい。現在まで工事は落下事故の影響もありましたが,ほぼ順調に進んでおり,請負業者も平成6年春開業を目指し,昼夜にわたって懸命に頑張っております。頑張っております中だけに,はっきりした御説明を求めるものであります。私たち地元住民の完成まではと,複雑な交通規制や通行どめにも我慢をしていただけに,工事の進捗状況を勘案しなどと簡単に片づけられる問題ではないことを市長さんも痛みを持って感じてほしいと思いますが,いかがでありましょうか。  開業に関連し,バスフィーダー網の再編計画はどのようになるのか。その発表の時期はいつになるかについても明らかにしていただきたいと思います。また,料金体系,初乗り運賃は幾らなのか。また,乗り継ぎ割引はどう考えているのか。バスと新交通のプリペイドカード方式の導入は考えているのかいないのかについてもあわせて御答弁ください。  さらに,新交通システム事業の全体の事業費の見直しが現在進められていると聞いておりますが,幾らになるのか。これまでは1,260億円と説明がされてまいりましたが,幾らになるのか。また,収支計画はどうなっているのかお答えください。  最後に,今回発表されました高齢者への電車,バスの回数券の対象に新交通システムは含まれるのかどうかについてもお尋ねをいたします。  次に,教育問題に移ります。  去る22日,文部省は学校教育現場での業者テストの実施と結果の利用を禁止する事務次官通知を打ち出し,平成6年度入試から直ちに改善することを指示いたしました。これまで偏差値に頼り切ってきた進路指導や入試が黙認,必要悪から禁止へと180度転換することになります。教育現場を初め,生徒,保護者にも動揺と不安が広がっております。何を基準に志望校を決定するのか,本人の学力を客観的にどう評価するのかといった切実な問題に15歳の青春が大きく揺れ動いております。  そこで,今回の中学校の業者テスト追放について,市教委の対応についてお尋ねいたします。  まず,これまでの業者テストの実施の実態はどうであったのか。本市では,平均年に三,四回,いわゆる習熟度テストとして授業中に受けていたようでありますが,その実施状況,教員の関与,データの公表,私立高校への事前相談等の有無について明らかにしていただきたい。  次に,今回の禁止措置により,今後の進路指導にどんな影響が出るかを予想しているのか,それに対する対応をどのように考えているのかお尋ねいたします。  かって大阪府が業者テストを追放いたしましたら,生徒が個人で塾の業者テストを受けに行くようになり,親との三者懇談で塾の指導と学校の指導とが食い違い,より進路指導が困難になったと言われておりますが,本市ではどのように対応しようとしているのか。実際に第一線の教育現場で指導しておられる先生方はどのように受けとめておられるのか明らかにしていただきたいのであります。  この問題は,単に業者テストを締め出しただけでは解決にはなりません。追放後をどうするのかについて文部省は具体的なプランを示しておりません。むしろこれからどう工夫し,生徒の個性と能力をどう評価し,幅広い選択が可能になるような進路指導,入試に改善していくかがかぎになると考えますが,教育委員会はどのような体制でこの問題に取り組まれるのかお尋ねいたします。  その際,新たな受け皿として,さきに文部省が示した総合学科の創設,また単位制高校の拡充なども検討すべきであると思いますが,いかがでありましょうかお尋ねいたします。  最後に,広島市安佐動物公園の再整備問題についてお尋ねいたします。  本市の動物園は昭和46年に開園し,平成3年9月には開園20周年を迎えました。その間に約1,000万人の市民に利用され,憩いの場として親しまれてまいりましたが,20周年を機に21世紀を展望した全国屈指の動物公園としての再整備をするため,広島市安佐動物公園再整備基本構想が平成3年3月にまとめられました。新交通の開業後はバスフィーダーも一段と充実し,利便性も高まりますので,より多くの市民の憩いの場としていくことがより一層求められており,この基本構想が一日も早く具体化するよう望むものでありますが,どのようなスケジュールを考えておられるのかお伺いいたします。  本市には多くの関係団体があり,大半は理事長には助役さんか関係局長さんが就任しておられますが,理事長の上に市長さんが会長を務めておられる団体は5団体しかありません。平和文化センター,原爆関係の2団体,そして動物園協会と植物園を所管する公園協会であります。なぜ市長さんが動物園協会の会長なのか,その経緯については詳しく御承知であろうと思いますが,当時40万人以上もの市民の皆さんの署名が市長さんを会長に押し上げたといっても過言ではございません。会長としての市長さんの御見識に期待をしたいと願っておりますが,いかがでございましょうか,御所見を承りたいと思います。  以上でもって私の総括質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(海徳貢君) はい,市長さん。             〔市長平岡 敬君登壇〕 ◎市長(平岡敬君) まず初めに,政治姿勢について4点ほど御質問がありましたので,お答えを申し上げます。  私は,市政の運営に当たりましては,市民の信託を受けた者として,常に市民とともに歩み,市民の総意を反映させながら市政が直面している諸問題の解決に向けて取り組みたいと,このように考えております。  こうしたことから,市長就任以来,御質問にもありましたとおり,機会をとらえては市民との話し合いの場を持つことを心がけてまいりした。今後とも市民の方々が行政に何を望んでいるのか,そういった生の声を聞くとともに,市民の方々には市政を身近なものに感じていただくと,こういうことから,可能な限りこのような対話とか,あるいは触れ合いの場を持っていきたいと,このように考えております。  次に,現空港における東京便の存続についての御質問でございますが,一昨年12月の市議会本会議で,私は新空港開港後の現空港をできる限り有効活用し,東京便を含む航空機能の存続が実現するよう国等関係機関に働きかける旨を表明いたしました。空港周辺住民の皆様を初め県,国等との協議調整を進めてまいったところでございます。  こうした中で,昨年の5月県知事,それから市長,県議会議長,市議会議長,学識経験者,あるいは経済界代表等で構成する現空港跡地問題協議会が設けられまして,県内各界からの幅広い意見をもとに検討を重ねた結果,現空港敷地につきましては,将来に備えての空港機能用地とし,当面コミューター,小型機の就航を図ることなど,こういった取りまとめが行われたところでございます。これを受けまして,本市としても現空港跡地の利活用の方針を決定したところでございますので,御理解を賜りたいと存じます。  次に,バス等の利用助成についてでございますが,本格的な高齢社会を迎える中で,市民が健康で生きがいを持ちながら安心して暮らすことのできる社会築いていくためには,在宅福祉,あるいは施設福祉の充実,これは当然でございますが,同時に健康な高齢者が社会活動に参加をし,高齢期を豊かに過ごしていけるよう,高齢者の生きがいづくり,健康づくりを推進していくことも重要な課題であると考えております。
     こうしたことから,高齢者の社会活動への参加を柱とした生きがいづくり,健康づくりを進めるために,社会への参加意欲を具体的な活動に結びつける上でのきっかけづくりと,こういう観点から回数券方式によるバス等の利用助成制度を創設したいと考えているところでございます。また,新交通システムについても,対象交通機関として検討をしていきたいと考えております。  なお,本会議においてもっと答弁しろということでございますが,議員各位の幅広い御質問に的確にお答えするために,本会議場に出席している私を初め助役,局長等で分担しているものでございますので,御理解を賜りたいと思います。  それから次に,「平和に貢献する広島」についての御意見,お尋ねでございました。  私は,平和を考えるに当たって最も大切なことは,やはり過去の事実に目をつむることなく,それを正しく見つめていくことだろうと思います。我が国がかつてアジアの諸国に対し,大きな苦しみと悲しみを与えたことにつきましては大変な遺憾なことと思っておりまして,そのために一昨年の平和宣言の中で私は率直な気持ちとしてそのことを申しわけなく思うと表現をし,昨年の平和宣言でもその痛みをみずからの痛みとすることと述べたものであります。今日世界では貧しい国と富める国との格差がますます広がっていく傾向にございます。飢餓,貧困問題の解消が世界の大きな課題となっているわけであります。また同様に,人権抑圧に端を発する暴動も各地で発生をしておりまして,その解決が迫られております。さらに,環境破壊も日々進行しておりまして,私ども人類の将来にとって大変大きな問題となっているわけであります。そして,これらの問題は特に環境破壊の問題に見られるように,一国,あるいは一都市で解決を見ることは不可能でありまして,世界的な規模で考えていかないと解決することは難しいと,こういう問題であります。  したがって,その解決には国はもちろんのことでありますが,都市レベルでも真剣に考えて行動することが求められておるわけであります。そのために,第3回世界連帯都市市長会議では,これらをテーマとして掲げて,世界の各都市から多くの代表者と真剣な議論を行いながら都市の連帯を強め,同時に国際世論をつくり出していくということによって,これらの問題の解決の糸口を見出す努力をしてまいりたいと,このように思っております。  御承知と思いますが,世界連帯都市市長会議は広島,長崎の提唱によりまして,まず核兵器の廃絶と世界恒久平和の確立ということを目的としておりましたが,一昨年の理事会におきまして,こうした環境問題,あるいは貧困だとか疾病だとか,こういった問題についても各都市レベルで努力をしていこうではないかということで,規約を改正いたしました。したがって,こういう問題も第3回目の世界連帯都市長会議で取り組んでいこうと,こういうことになったわけでございます。  次に,都市像についてお尋ねがございました。広島市の都市像につきましては,午前中にもるる答弁申し上げたわけではございますけれども,私の都市づくりの基本的な考え方といたしましては,所信表明でも申し上げたとおりに,住みよい広島,活力ある広島,平和に貢献する広島といったことを柱として国際平和文化都市,この実現に向けて市民のだれもが安心して生き生きと暮らせる人間性豊かな広島市の実現を図ると,こういうことでございます。  21世紀を展望いたしまして,広島市が中・四国地方の全体を引っ張っていくような,そういった役割を果たし,さらに世界に誇り得る都市となっていくためには,もっともっと高次都市機能を強化していくと,あるいは地域経済の活性化を図るといったこととともに,にぎわいと潤いのある魅力ある都市づくりを進めていくと,つまりハード,ソフト両面にわたって広島の特性を生かしたまちづくりを進めていく必要があると考えているところであります。  今大変都市間競争が激しくなっておりまして,近年大都市ではいろいろな都市像を掲げて都市建設を進めております。先ほどのお話にもございましたように,福岡も名古屋もそれぞれさまざまなキャッチフレーズ,あるいは都市づくりのコンセプトを設定していろんなプロジェクトを展開している事例が見受けられるわけであります。つまりそれはもうそれぞれの都市が個性をつくり出していこうとしていることであろうというぐあいに思っております。  広島市におきましては,平成6年度までに大体主要な大規模プロジェクトが完了,あるいは軌道に乗っている状態にあると,このように考えられます。このために,アジア大会終了後の21世紀に向けて新しいプロジェクトを含む都市づくりビジョンの策定が必要であると考えて,先ほどひろしま新世紀都市ビジョン懇談会というものをつくって,各界各層から活発な御意見をいただこうと,こういうことになったわけであります。これは広島市の特性を生かし,時代に即した新たな都市づくり構想をキャッチフレーズ,あるいはコンセプト,あるいはそれに応じたプロジェクトをあそこで考えていこうというものでございますので,今いろんな先生方に検討をお願いしておるとこでございますので,その点御理解を賜りたいというぐあいに思います。  次に,安佐動物公園の再整理についてでございます。  動物公園は社会教育,情操教育の場として市民にとって貴重な施設であると思っております。したがいまして,開園後も動物科学館,動物病院の新設,さらには重慶市との動物交流による珍しい動物の導入など,展示動物や施設の充実を図ってきたところであります。今後ともより一層市民に親しまれ,愛される動物園としての施設整備に努力してまいりたいと,このように考えております。  その他の質問につきましては,関係局長から答弁をさせます。 ○副議長(海徳貢君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(白崎徹也君) 市立大学の附属機関でございます国際平和研究所についての御質問にお答え申し上げます。  この国際平和研究所は,市立大学の研究機能の強化を図るために,平和に関する高度な学術研究を推進する機関として設置するものでございます。平成6年4月市立大学を開学させた後,学部の充実をまって大学院とあわせて整備する予定でございます。市立大学に関しましては,現在平成6年4月の開学に向けまして教員の確保,カリキュラムの編成,施設の建設,文部省等の調整などに全力を現在傾注しているところでございまして,国際平和研究所につきましては,研究分野とか運営体制,スタッフの確保等さまざまな検討しなければならない課題がございますが,これらにつきましては今後の設立準備委員会での検討や開学後の学内での協議の中で検討し,具体化を図ってまいりたいと考えておるところでございます。  以上であります。 ○副議長(海徳貢君) 経済局長。 ◎経済局長(樋渡敬宇君) レストハウスについてのお尋ねでございます。  御承知のように,レストハウスにつきましては,被爆建物等継承方策検討委員会から答申されました被爆建物等の保存,継承についての報告書の中で,全体保存を考える場合というのと,部分保存を考える場合と,こういう二つの意見が示されているとこでございます。したがいまして,この取り扱いについては慎重に検討していきたいと考えております。 ○副議長(海徳貢君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(加藤英海君) 原爆ドームを世界遺産リストへ掲載することについてお答えいたします。  議員御承知のとおり,世界遺産リストに掲載することにつきましては,国はその推薦基準といたしまして,自然保護法,文化財保護法などの国内法の保護を受けていることを優先しているというふうになっております。原爆ドームは,国内法での保護は受けておりませんが,人類で最初に被爆した惨状を後世に伝え,核兵器の廃絶と世界恒久平和を訴えるあかしとして,日本のみならず世界の歴史においても普遍的な価値を有する遺跡として早急に世界遺産リストに掲載されることは意義深いものと考えておるとこでございます。本年の1月に市長が文化庁及び外務省の方に赴き要望書を提出したところでございます。  なお,今後とも早期に掲載されるよう粘り強く関係機関に働きかけてまいりたいと考えておるとこでございます。  次に,安佐動物公園の整備についてお答えいたします。  議員御承知のとおり,安佐動物公園は昭和46年9月に開園し,緑豊かな環境に恵まれた動物公園として発展をしてきたところでございます。開園から既に20年を経過した現在のおきましては,動物園が持つ社会的役割の変化,施設の老朽化及び展示動物の繁殖,成長等を勘案いたしまして,より一層魅力ある動物公園として再整備基本構想をもとに,現在スケジュールを含む再整備計画を検討をしているところでございます。今後は,新交通の開業や道路の拡幅改良等進捗を念頭に置きながら,できるだけ早い時期に実施できるよう努力していく所存でございます。  以上でございます。 ○副議長(海徳貢君) 建設局長。 ◎建設局長(横山良三君) まず,クリーンなまち,広島づくりについてから御答弁申し上げます。  公共施設に違法に設置されました商業広告物等につきましては,屋外広告物法に基づきまして撤去を定期的に実施しておりまして,平成3年度はポスター,立て看板等を約3万枚を撤去をいたしたとこでございます。しかしながら,撤去を重ねましてもなお新たな掲出がされる状況でありまして,今後とも撤去を行うとともに,広報紙によりますPR,道路パトロール等で指導強化をいたしまして,不法設置を繰り返す悪質業者につきましては,警察とも協議して対応してまいりたいと思っております。  また,政治活動のための掲示板やポスターにつきましては,掲出者に自主撤去を強く要請しておりまして,自主撤去されない場合にはポスターは本市において撤去をしておるとこでございますが,今後は掲示板についても撤去を検討してまいりたいと思っております。  それから次は,自動販売機でございますが,道路上の自動販売機につきましては,平成元年度及び平成2年度におきまして,全市内の実態調査を行いまして,この調査結果に基づきまして設置者,それから中身商品メーカー等に対しまして文書,口頭により再三是正指導を行っているとこでございます。その結果,平成4年11月末現在で当初約4,100件の不法物件があったわけでございますが,そのうち1,600件が是正されたとこでございます。今後も計画的に是正に取り組むことといたしまして,できるだけ早期に是正されるよう努めていきたいと思っております。  それから,電柱の添架看板でございますが,電柱への添架看板につきましては,現在のところ占用許可対象物件でありますためから,本市におきましても従来から占用許可をしているとこでございまして,直ちに方針を転換するということは難しい面もございます。しかしながら,都市景観が向上していきますにつれまして,これらの広告物が目につくという実態もあります。御指摘の趣旨を踏まえながら,今後の対応策について検討してまいりたいと思っております。  それから次は,新交通システム関連でございまして,新交通システムの開業時期について,いつ,いかなる手順で変更したのか,またその理由は何かということでございます。  新交通システムの国の工事施行認可におきましては,本通から長楽寺間の既定区間は平成6年3月末,また長楽寺から広域公園までの延伸区間は平成6年9月末を竣工期限とされております。しかしながら,既定区間につきましては,大町地区におきまして橋脚を建設するための用地買収の協議がおくれましたこと,また紙屋町地区におきましては,交通ふくそう地区でありますことから,より安全な工法検討に日時を要しましたことなどによりまして,当初計画より工事がおくれが生じております。また,延伸区間につきましては,迂回路の設置等により工期の短縮に努めた結果,早期完成が見込まれることとなりました。  このようなことから,既定区間と延伸区間の完了時期が近接するということが見込まれましたとこでございます。こうした状況の中で,二段階開業した場合の追加投資やバス再編の二段階実施の事務手続のふくそう等を総合的に勘案いたしまして,平成6年9月初旬に全線を同時に開業することといたしたものでございます。  なお,このことにつきましては,軌道経営者であります広島高速交通株式会社,それから施行主体であります中国地方建設局及び本市の三者が協議いたしまして,関係機関への事前協議を経て決定したものでございます。  それから,バス再編の状況とその発表の時期はどうかということでございます。  新交通システムの導入に当たりましては,フィーダーバスの機能はバスが担うという考えを基本といたしまして,現在中国運輸局,バス事業者及び市の三者で鋭意協議調整を行っておるとこでございます。バス路線の再編計画につきましては,本年度末を目標に運行経路など素案をまとめまして,引き続き平成5年度から運行ダイヤ等の詳細な内容を詰めていくことといたしております。その発表は全体の計画,これは運行ダイヤだとか運賃体系等でございますが,これがまとまった段階で明らかにいたしたいと考えております。  それから,新交通システムの運賃体系,初乗り運賃,乗り継ぎ運賃,プリペイドカードシステムはどう考えとるかということでございますが,バスと新交通システムの運賃体系,初乗り運賃についてでございますが,この新交通システムの運賃は特許免許申請における収支計画におきましては,バス並み運賃を前提として算定しておるとこでございます。今後開業時までに高速交通株式会社におきまして,運輸大臣の認可を得て定めることとなっております。  一方,フィーダーバスの運賃についてでございますが,これはバス事業者がバス路線の認可申請とあわせて今後決定していくことになろうと思っております。  また,乗り継ぎ運賃の制度の導入につきましては,新交通システムとバスと乗り継いだ場合の運賃が利用者に過大な負担とならないよう,現在このバス路線の再編整備にあわせて検討を行っておるとこでございます。  さらに,現在運輸省指導のもとにバス6社のバス共通乗車カードシステムが3月25日に導入されることとなっておりますので,これも新交通システムにおいて導入することといたしております。  それから,新交通システムの全体事業費は幾らになるのか,また収支計画はということでございます。  新交通システムの全体事業費は既定区間が昭和62年度の特許免許申請の時点での公示価格で約900億円,それから延伸区間が平成2年度の特許申請の時点で約360億円,合計総額1,260億円と見込んでおったとこでございます。これを現段階で見直しをしたところ,これまでの物価上昇や平成元年度に消費税が導入されたこと,地価公示におきます地盤改良等の増加等によりまして,約500億円増額となり,総額約1,760億円となる見込みでございます。  次に,収支計画についてでございますが,先ほどの事業費の増加,これも500億円のうち,軌道経営者であります広島高速交通の事業費の増加額は約220億円でございます。これに対しまして,地下鉄補助金の増加が約90億円見込まれること,また最近の経済情勢によりまして金利負担の軽減が見込まれること等によりまして,当初の収支計画が大きく変わることはないと考えておるとこでございます。  以上でございます。 ○副議長(海徳貢君) 教育長。 ◎教育長(池田正彦君) 教育問題について2点お答えいたします。  まず,業者テストの問題でございますが,平成4年度における本市の市立の中学校の業者テストの実態でございますが,59校中1校を除く58校におきまして年間2ないし5回,これは平均しますと3.3回でございますが,教師の監督により授業時間内に実施をしている状況でございます。また,これまでは一部の私立高校を受験する際に,中学校と高校の教師による事前相談の資料として提供をされている実態が判明をいたしているところでございます。  当面の対策としましては,昨年の12月に安易に業者テストに依存しないこと,業者テストの授業中の実施は望ましくないこと,私立高校へ業者テストのデータを提供しないこと及び生徒が主体的に進路を選択するために適切な進路指導を行うこと等を各中学校に対して指導をしたところでございます。  このたび文部省はこの業者テストにつきまして,中学校は一切結果を高校に提供しない,高校は中学校から求めない,あるいは業者テストの実施に関与することは厳に謹むべきであり,授業時間中及び教職員の勤務時間中には実施をしてはならない等々,さらに厳しい改善を図るよう指導があったところでございます。この問題は,ただ単に業者テストということだけでなく,御指摘のように学校における進路指導のあり方や入試制度の根幹にもかかわる問題でございますが,現在市立の中学校長会初め研究会,あるいは教員代表等から幅広く意見を聞きながら,それらの意見等を踏まえて県と協議をしているところでございます。また,市立の中学校長会としても,県の中学校長会とも連携し,協議をいたしているところでございます。  また,来る3月の10日に文部省におきまして都道府県教育委員会等指導事務及び私立の学校の主管部課長等による合同会議が開催をされ,高校入試選抜の改善について協議をされることとなっております。この会議での意向等を踏まえながら,高校入試を所掌する県とも引き続き協議を進め,対応してまいりたいというふうに考えております。  次に,偏差値,いわゆる教科学力の習熟度に偏り過ぎた教育から,多様な個性を生かす教育へ,画一主義から独自性,あるいは多様性を尊重する,個性を生かす教育へシストをしていく必要があるではないかという御指摘でございまして,おっしゃるとおりでございます。ただ単に,入試改善ということだけにとどまらず,受け皿である高校教育の多様性,あるいは特色ある,魅力ある高校づくりがまさに求められてくるわけでございます。本市におきましては,広島市の学校教育問題懇話会等において総合学科の設置,あるいは単位制の導入などについても広く意見を聴取をしてきたところでございまして,こうした意見を踏まえ,これまでも高等学校の学科改善を行うとともに,新しい教育課程の検討等も行っているところでございます。  また,来年度からは魅力ある高校づくりに関するプロジェクトを各高等学校へ発足をさせまして,御指摘にもありました総合学科,あるいは単位制といったふうなことなども視点に入れながら検討を行い,さらに一層魅力ある高校づくりに取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上。 ○副議長(海徳貢君) 16番。 ◆16番(福島和宏君) 問題が非常に多岐にわたっておりますので,詳しくはまた予算委員会でやらしていただきたいと思っておりますが,ひとつきれいなまちをつくっていくということにつきまして,私は本当は市長さんのコメントをちょうだいしたかったんですが,またこれは日を改めてお伺いをしたいと思っております。どうか官民,また一体となってアジア競技大会を本当にきれいな状態の中で迎えられるよう,私たちもまた努力をしてまいりたいと思います。詳しくはまた予算委員会でやらしてもらいます。ありがとうございました。 ○副議長(海徳貢君) 59番山本誠君。             〔59番山本 誠君登壇〕(拍手) ◆59番(山本誠君) 私は,日本社会党市会議員団を代表いたしまして,総括質問をさしていただくわけですが,平岡市長さんになりましてからは初めてでございますので,よろしくお願いしたいと思います。  今回2年ぶりに質問をするに当たって,どういう質問の仕方がいいかなということを非常に内容よりも考えました。そういう立場で,これまでいろいろなことを経験をさしていただきまして,そういう立場も踏まえてどんな質問の仕方がいいかなというようなことを考え,また先ほど午前中に中原議員さん,若い議員さんが質問なさっておりまして,幾らか共通認識がある,そういう面で私もまだ若いかなと思ったり,あるいはかなり時代が違ったなという面もあるわけでございます。  前段はそのくらいにいたしまして,質問に入らしていただきますが,市長さんは平成3年,1991年の2月23日に広島市長として登庁をされまして既に2年が経過したところでございます。私は,平岡市長を次の2点については評価をしております。  その一つは,平和問題について,先ほどもありましたように,人権,飢餓,貧困や環境といった視点から,平和宣言をアピールし,世界的な平和問題の意識のレベルから発言されておると,こういう点であります。  二つ目には,市の行政上の問題に対して,みずからが市民の前に出て泥をかぶる,そういう姿勢。このことはお互いに口では言いやすいですが,なかなか実行ということになると難しいことだと,そういう面では頭も使い,体も使うという意味で私は評価をしておるわけです。  ところで,私は平和問題についてこれまで次のような主張をしてまいりました。  その一つは,平成2年,1990年の12月議会で,当時の荒木市長に対しまして,20世紀末を控えた今,戦争と平和を象徴する20世紀都市広島の持つ意味は大きいと。世界からもそのように見られていると思いますと。中東湾岸戦争や冷戦構造崩壊後の秩序を求めて平和という新しい地球社会の創造という課題に対して,戦争をしないという平和を守る行動とともに平和をつくる提案や行動が求められていると。そのためには,21世紀を夢見る前に,20世紀の広島が置かれている歴史的な歴史と現実をしっかり見て振り返る必要があるのではないかということを申し上げました。  二つ目には,平成3年,91年3月の国際交流推進特別委員会の委員長の立場で報告した中で,広島の都市イメージを平和をつくる都市として据えて,平和に貢献をするまちづくり,人づくり,産業づくりの三つの柱からまとめてまいりました。冷戦構造崩壊後の世界のグローバル化はますます平和的な経済市場をつくることが不可欠となっております。このため,地方の活性化の基本となる資金,資本の導入は世界に開かれた地域を重視する地域間での競争の時代に入っておるわけです。このために,今後はどの地方にも順番に回ってくる公共投資は少なくなり,地域からのビジョンを明確にできるか否かというのがこれからの中央からの大きなプロジェクトの予算が優先順位が決まるかどうかにあるというふうに思います。  また一方では,中央からの予算交付は地方の市民の役に立つニーズとして,ビジョン化をすることによって中央の各省庁にある縦割りの小さな補助金を総合的に政策化をしていく,そういう可能性もあるわけです。そうした中で,生きた資金の導入を図っている自治体があると聞いております。いずれにいたしましても,アジア大会を契機に,平和をつくる開かれた市場を整備するためのまちづくり,人間づくり,産業づくりといった広島独自のビジョンなしには21世紀の展望を夢見ることはできないのではないでしょうか。  つまり以上のことをまとめますと,冷戦構造崩壊後の世界情勢の中で,20世紀都市広島が象徴する物質主義や機能主義偏重に対して,大国覇権主義から国連平和主義が模索されている今,過去の歴史をしっかりと評価,分析をして,世界の政治,経済的な枠組みを見直し,そしてその中で広島が果たすべき役割は何かということではないでしょうか。私は,つくり出す平和という視点から,地域間競争に生き残るということは,単なる勝者か敗者かという図式で見るのではなくて,平和をつくる過程を通して社会に役立つまちづくり,人間づくり,産業づくりが地域,国,世界にも役立つと思います。  以上のような考え方から,私は市長が訴える,つくり出す平和については共感をしています。しかし,そのために何が必要なのか。21世紀に向けての都市ビジョンは何か。午前中もいろいろ言われておりました。そして,その前提として市長が目指す政治目的を明確にしてほいということが本日の一番お聞きしたい内容でございます。つまり市長が目指す政治目的が明確にならないと市長が唱える,つくり出す平和というビジョンも単なる行事やイベントやハードなものだけになり,市民の共感や行政参加も得られず,また行政に携わる職員自体も何を具体的にしてよいのか評価基準がなければ政策実行に生かされないのではないでしょうか。  申し上げるまでもありませんが,市長は政治家であります。行政マンではありません。市長の政治目的がはっきりしなければ,市長の顔が見えないのではないかと思うのです。とはいえ,政治目的とは時代的背景や個人の経験の中から生まれるものでありまして,簡単にまとめて言えるものじゃないことも十分承知しております。しかし,市長は戦前のソウルでの少年時代やジャーナリストとしての韓国人差別への熱っぽいまなざしがつくり出す平和の提唱につながっていると推察をいたしております。そういったこれまでの豊かな経験を踏まえて,市長の顔が見える政治目的を打ち出してもらいたいというふうに希望します。  ところで,引用さしていただきますが,明治時代の高級官僚で農政学者であり,さらに世界的レベルの民俗学者であった柳田国男氏は,物の充足を求める時代に既に国際化を予見して,生産そのものは国家総体にとっても個人にとっても究極の目的ではない,国民総体の幸福という目的のために,主体的に優先順位を決める事実を選択する能力が必要だと言っています。また,今や世界的なバブル崩壊,冷戦構造崩壊といった中で,グローバルな意味で新しい価値観や新しい秩序の動きが生まれようとしています。先ほどの議員さんもおっしゃっていました。クリントンアメリカ大統領はアメリカの再生を目的に掲げて,国民にある部分の犠牲を強いながらも,全体の幸福を目指す変革を求めています。20世紀がもたらした物質文明や科学技術の進歩は,もろ刃の剣でした。そのため,核戦争による天体尺度の破壊という問題,あるいは生産物の豊かさの反面,豊かさによるさまざまな社会問題,例えば豊食による糖尿病がふえるとか,あるいはまた知識偏重,偏差値偏重等による不登校の問題,心の身体障害者がふえているというホワイトカラーの問題など,これらに対してつくり出す平和が科学技術や社会システムの変革のためにいかに平和利用するということなのではないでしょうか。市民総体の心の幸福すなわち生きる喜びにつながる科学技術の平和利用をいかに図るかが重要だと思います。そして,その選択する能力の開発こそが20世紀への課題だと思うのでありますが,市長さんいかがでしょうか。  そこで,何ができるかということですが,私はつくり出す平和の課題として,やはり環境,人権,福祉などの問題に対して,いかに情報集積をし,処理し,それを政策にどう展開をしていくのか,これが大切だと思います。  例えば,養護施設の子供たちの数を見ますと,戦後に比べても余り減っておりません。昭和20年代の記録がありませんので,最近の記録で見ましても,この高度成長時代の40年代,40年には県内では養護施設の子供たちが397名,そのうち広島市関係の施設に4施設に入っておる子が253名,50年代が709名,そして市関係が342名,そして55年代が753名,市関係は391名,60年代が732名,市関係は336名,そして平成3年が651名で,市関係は295名,むしろ潜在的には親が子を顧みない家庭内孤児とも言うべき状況にある子供がふえているとさえ言われています。その背景は,当然20年代と今日では違うとしても,経済大国世界一と言われながら,このような状況を我々は一体どのように受けとめればよいのか。家庭や社会,行政や学校教育を含めて何をなすべきなのかが問われている問題です。このような一見小さなことに注目をし,具体的に取り組む過程を通して政治目的の経験化や共有化が市民や行政マンに生まれることが次への展望や政策ビジョンを生むことになると思います。  次の例ですが,アフリカの地域では医療情報を送るサテライフということが行われております。御存じのように,サテライフとは,サテライトとライフ,小型衛星によって命を守ると。これは1985年度にノーベル平和賞を受賞した核戦争防止国際医師会議,IPPNWですが,そのイニシアチブで設立されまして,その当時レーガン大統領が戦略防衛構想,SDI,つまり宇宙を軍事利用構想をしようということを発表したわけです。それに対して,IPPNWの会長のバーナード・ラウン博士は,宇宙は人類の命を守るために利用すべきであると,そういう立場で今それに対して具体的にこうしたことを今実行されておるわけであります。なぜこれだけ電話やらファックスが発達しておるときに,なぜサテライフなのかというお思いの方もいらっしゃると思います。  例えば,こういう状況なんです。ケニア在住の医学研究者は,東部及び南部アフリカエイズネットワークの同僚医師と連絡をとろうにも月給が100ドルに対して,ファックスや電話料が3分以内の最低料金内でも1分当たり7ドルもかかるため,それらの通信手段を利用することができません。また一方で,地域的に突然コレラが発生したとき,ジンバブエの首都のハラレの医療監督官は隣の国のモザンビークの医療監督官に電話をし,報告することになっているわけですが,アフリカの多くの国では電話回線が非常に少ないために,電話回線がうまくつながることの方が珍しい。  また,タンザニアの医師団がザンビアで開催された地域医学会議に連絡なしで突然出席したと。タンザニアからテレックスを打つのに最低25ドルかかるために,組織委員会からの再三の出席するかどうかの問い合わせにも返事をすることすらできないと,こういう状況。  もう一つは,その他たくさんありますが,中心的なん申し上げますと,モザンビークの国立医学研究所は,ブラジルのオズワールドクルーズ熱帯医学研究所に正式援助を求める書簡を航空便で送りましたが,その書簡が先方に届いたのは7カ月後でした。  このように,確実なコミュニケーション手段の確立こそがアフリカの保健状態改善の最優先課題であるということが言えるのではないでしょうか。経済的な貧困プラス情報の貧困,それは不十分な医療活動,そして最後には死に至るわけであります。米国の主要な医学図書館では,約3,000種類の定期刊行物を購読している一方で,アフリカや中南米などの発展途上国の医学図書館では30ないし300種類しか定期刊行をしていないというんです。例えば幸いにも医学ジャーナルを定期刊行できる場合でも,そのジャーナルが現地に届くまでには数カ月間もかかり,場合によっては全く届かないこともあるということであります。  その他もありますが,以上のような状況を我々はどうとらえて,せっかく広島でIPPNWの会議を開催した広島が,開催後にこうした地域への医療情報の発信を行う具体的な努力がなければつくり出す平和として世界からの広島への信頼は深まるのではないかというふうに思います。これは単にIPPNWだけの責任でなく,行政も支援する課題であるというふうに思うわけでございます。  次に,次の例ですけども,地域分権,地域分散ということが言われておりますが,何のための地域分散なのか。目的意識がはっきりしない。補助金行政が悪いという場合があるわけですけども,最初にも述べましたように,地域の市民のニーズをビジョンとして総合政策化をして,各種の補助金を生かし切って本当にいるだろうか。  ここに山梨県の西川町で人口が8,569人の小さな町があるわけですが,そこでは小さな補助金を200以上も利用してきめの細かい福祉行政などを行っていると報道されておりました。広島市は,調べてみますと,補助金の所管課が数で70,補助金の数が115だそうです。人口と比較をいたして,西川町に住む人と広島に住む人ではどちらが市民総体の幸福感を感じているでしょうか。想像いただけると思います。  私は,戦後豊かさを求め,外から見られることを気にかけてきた自分本位の時代から,生活様式も成熟いたしまして,国際化,情報化の時代に生きています。つまりつくり出す平和とは,我々もやろうという意思があればできるかもしれません。さきにも申し上げました事例のように,地域に役立つとか自分本位でなく,他の人を思いやるという,見てあげるという,お世話する,そういうまなざしから始まります。つまりアジア競技大会における広島のポスピタリティーの心が国際社会の人々と交流する資格であるというふうに市長の発言は改めて大事なことだと,私は思うのであります。  また,広島市がこれまで掲げてきた国際平和文化都市という都市ビジョンによるこれまでの努力は評価すべきであるというふうに思います。しかし,市長は政治家であり,行政マンではありませんから,広島市の長期ビジョンを策定するためにひろしま新世紀都市ビジョン懇談会を結成されたことは理にかなったものと思います。しかしながら,市長の政治目的を掲げ,この目的と懇談会のビジョン策定の意見を集約したときに,これまでの国際平和文化都市という都市ビジョンを変える必要があるということであればよいが,政治目的の不在のままにいたずらにこれまでの都市ビジョンを変えることは,市民や行政マンの意識を混乱させるのではないでしょうか。  このように,ビジョン形成にしろ,それに基づく政策にしろ,市長の政治目的をただ一つ明確にし,そこから生まれるビジョン,政策,市民や行政マンの意識,力を結集する必要があると思います。そして,この実現への過程や経験を通して,広島市の大きな目的を市民や行政マンが共有できるのではないでしょうかということを市長に質問したいということであります。  平岡市長は,海を愛するヨットマンです。人間は自然の一部だということを先日のヨットマンから教えられました。それは,日本でただ一つのグアムへの外洋ヨットレースで遭難したたか号から,仲間が次々と亡くなっていき,たった一人で生還してきた佐野三治さんのインタビューを聞き,感動いたしました。その一つは,ヨット遭難の原因究明は必要です。といって,あれ以後レースを中止するのはかえって遭難したクルーへの供養にはならない。また,これまで自分が生きてきたと思っていたが,自然の力の中で生かされているというように思うようになった。人生の目的は愛であり,喜びであると思うようになったというようなことをおっしゃっていました。  最後に,これまでのことを要約させていただきますと,政治目的の不在は結局何もせず無難によいという,そのことにより市政は弱体化するのです。政治目的は地域間競争における国からの補助金の優先順位を決めるのです。また,市民総体の幸福や市民サービスへの優先順位を決めるし,そのために必要な組織の変更や理念,政策の変更が伴うのではないかというふうに思います。そのためには,合意を得るためには大変な努力が必要だと思います。しかし,あえて私は平岡市長に21世紀を目指す平岡市長の政治目的は何かということを問いたいと思います。政治目的が設定できれば,理念,都市ビジョンですが,都市ビジョン,政策立案,それに伴う組織の変更,外部にワーキングスタッフをつくる必要かどうかという判断が生まれてくるわけです。そこから平岡市長の個性,顔の見える市長,市民のための市長,市民のための行政が生まれると信じます。  以上の観点に立ちまして,時間がございませんので,あとは項目を申し上げておきます。  一つは,人権問題についてでございます。新聞報道によりますと,学校,教師がかかわった結婚差別があったということで,私も同和対策審議会での委員長の立場でまことに遺憾に思います。これらは実行ある研修の見直しと,二度とこのようなことのないように研修の強化が必要であると思いますが,どうでしょうか。  二つ目には,午前中井口議員さんからおっしゃっておりました高度情報化社会に対する対応,この組織についてはおっしゃってましたので省略します。したがいまして,こうした情報化社会に対応できるような公共施設の事前の投資,市営住宅等にはもう既にそういうものが来ても大丈夫なような施設をするとか,道路にもそういうものをするとか,あるいは新しい団地をつくるときには,そういうものを事前に先行投資をして地下埋などをやるとか,こういうことをぜひとも考えていただきたい。既に中心部の都市景観整備されたところについては,ケーブルテレビの埋設空間などについてもキャブ施設の整備を進められているようですが,さらに一層進めていただきたい。  次には,行政手続法が宮沢総理がかなり力を入れて改正をしたいということで,秋ごろには改正されるようですが,この目的はやはり行政運営というものが市民に公平であって,この透明性を市民の前に公開する。そういう意味で,市民の権利を守ると,こういうことが趣旨のようですから,これは早急に広島も取り入れるべきだというふうに思います。  次には,文化を育てる意味で,広響の対して予算措置がされておりますが,しかしいつも聞くところによりますと,練習場がないと,こういうものに対して市はどのように考えておるのか。これまでも野球,あるいはこれからサッカー,そういうものを育てようとするわけですから,そうした広響に対してもそうした意味で練習場等についても前向きに早急に取り組むべきだというふうに思いますので,御見解をお伺いさせていただきます。  以上,私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手) ○副議長(海徳貢君) 市長さん。             〔市長平岡 敬君登壇〕 ◎市長(平岡敬君) 政治目的という政治という言葉が出てまいったわけでありますが,私は今ほど国民の政治に対する不信が高まっているときはないと思います。また同時に,今ほど政治家に対する尊敬の念が薄れてといるときはないと。こういう状況の中で,政治について語ることは,それがまじめであればあるほど大変白けたり,あるいは滑稽を感じたり,滑稽の感じをもたらすような,そんな空気が存在するのが残念ながら事実であります。  アメリカのジャーナリストで小説家のアンブローズ・ビアスという人が書いた「悪魔の辞典」という本があります。このビアスという人は,今世紀の初めに活躍した人でありますけれども,この「悪魔の辞典」という本は,しかるべき単語を選び出して,それに対して風刺と機知に富んだ定義を与える,そのことによって社会批評を行おうと,こうしているもんでありますけど,その本の中の政治という項目を引きますと,こう書いてあります。政治,これは名詞であります。主義,主張の争いという美名のもとに正体を隠している利害関係の衝突。私の利益のために国事を運営することと,こういう定義がしてあるわけであります。現在の日本の政治にこのビアスの風刺が当たっているような面があるのはまことに私は遺憾なことだと思っております。しかしながら,私たちは政治をですね,そのようにシニカルに見て批判をしていればいいと,そういう立場にはありません。集団の政策決定,あるいは意思決定,その過程というものが政治というものである以上,都市づくりもまた政治を抜きにしては語れないからであります。その意味で,私は政治とは情熱と判断力の二つを駆使しながら,かたい板に力を込めてじわじわっと穴を繰り抜いていく作業であると,これはマックス・ウェーバーが言った言葉でありますが,こういった言葉,この言葉に私は共感をしながら市政に取り組んでいるところでございます。  市長の目指す21世紀に向けての政治目的は何かと,こういうお尋ねでありますが,私の目指すところは広島市を市民のだれもが安心して生き生きと暮らせる人間性豊かな都市にしたいと,こういうことであります。言いかえれば,広島市にたくさんの人が定着して,そこで働き,幸せな家庭を築き,そして豊かで充実した人生を送れるようにすることが広島市の行政の目的であり,責任でもあると,このように考えているわけです。  まちづくりというのは,ただ道をつくったり建物を建てるだけのものじゃありません。広島市は国際平和文化都市を都市像として掲げております。しかし,本当に平和都市の名前に値するまちになっているかどうかと,これが問題であります。道路をつくり,学校や病院をつくり,美術館や文化センター,スポーツセンターをつくって,これからさらに高次の都市機能を整備することによって,都市の形はできると思います。しかし,そこで生活する市民が街路に物を捨てる,たばこをぽい捨てやる,あるいは交通マナーが悪い,暴行行為も絶えない,あるいは不親切だと,こういったことではとても私は平和都市とは言えないというぐあいに思うわけであります。魅力ある都市とは,道路や建物が立派であるだけじゃなくて,やはりその都市にすばらしい市民が生活していることによって完成するもんだというぐあいに思います。
     私は,常々まちづくりの主人公は市民だと,こう言っておりますし,また市政に市民の声を生かすと,こういうことを言っておりますのも,そういう意味を含んでいるわけであります。広島市という都市の名は,世界の人々に最初に原爆を投下されたまちとして,つまり悲劇のまち,あるいは悲惨の象徴として記憶されてきました。しかし,広島市民はその廃虚の中から立ち上がって都市建設を進め,今日の109万の人口を擁する広島市を築いたのであります。私たちは,その勇気と努力のその結晶である広島市の美しい理想的な都市の姿を世界の人々に示さなければならないと,このように私は考えます。  現在地球上には50億の人間が住んでおりますが,しかしその大半の人は飢餓だとか貧困だとか,あるいは病気,暴力,民族紛争,あるいは人権抑圧,こういったことに苦しんでいるわけです。つまり不幸な状態にあると。そういう人たちが広島という都市に名を聞いたときに,その人たちを力づけ,あるいはその人たちの胸の中に生きる勇気と未来への希望がわいてくるような,そんな広島市にしなければいけない,ならなければいけないと,私は思っております。つまり人類の希望の象徴としての広島をつくり出すことが私の目標であります。そのためには,都市のあり方を考えながら,議員御指摘のようにまちづくり,人づくり,産業づくり,それぞれの観点からの取り組みを積極的に進めていかねばならないと,このように考えているわけであります。  その他の御質問については関係局長が答弁いたします。 ○副議長(海徳貢君) 総務局長。 ◎総務局長(堀部尚雄君) 行政手続法の問題でございますが,行政運営におきまして透明性や迅速性,公平性というようなものを図りますことが,市民の行政に対する信頼確保の上で大変重要なことであるというふうに思っておるわけでございます。本市といたしましても,そういうことで平素から事務処理の標準化でございますとか,基準化でございますとか,そういうことには意を用いておるわけでございますが,御指摘にございましたように,現在政府内で行政手続法が検討をされておりまして,今国会に提案されるやに聞いておるわけでございます。この法案の検討状況を見守りながら,本市としての対応についてこれから検討を進めていきたいと,このように思っております。 ○副議長(海徳貢君) 建設局長。 ◎建設局長(横山良三君) 高度情報化に対応するために,キャブシステムをどんどん進めろ,また新規の開発や埋立地においてもどんどんやっていったらどうかという御意見でございます。これにつきましてお答え申し上げます。  キャブシステム整備等の電線地中化事業につきましては,現在平成3年度を初年度といたしまして,第2次電線類地中化事業5カ年計画に基づきまして,道路管理者及び電線類管理者によりまして,都心部の主要な道路と,また開発基地内の道路では一部先行的に西部丘陵中央線の整備に取り組んでいるとこでございます。  御指摘の新規造成団地や埋立地におきまして,開発者の負担のもとにキャブシステムを建設するよう指導することにつきましては,多大な建設事業費を要しまして,開発者の負担増となりますことから,指導の困難性も考えられますが,情報化社会の先取りのためにも電線類の地中化が望ましいと考えておりますので,関係機関と協議調整を図り,研究してまいりたいと思っております。 ○副議長(海徳貢君) 教育長。 ◎教育長(池田正彦君) 2点について御答弁申し上げます。  まず,広島交響楽団は中四国唯一のプロのオーケストラとして市内を中心に定期演奏会や移動音楽教室などの演奏を活動を通じて市民にすぐれた音楽を観賞する機会を提供するとともに,合唱やオペラなど,市民の舞台芸術を支え,そのレベルアップにも貢献をしておりまして,本市の芸術文化の振興を図る上で大変重要な役割を担っているところでございます。  この広島交響楽団は,みずから専用できる施設を有していないために,練習に当たりましては,区民文化センター,青少年センターなど,市内の公共施設を使用して練習を行っているところでございますが,これらの施設は市民の利用率も高いところから,練習場の確保には御苦労なさっているという実態にあるわけでございます。  本市としても,広響がよりよい環境のもとに質の高い音楽を創造したり演奏技術を向上させることは,本市の芸術文化の振興にもつながることから,楽団専用の練習場の確保に取り組む必要があると考えまして,これまでも学校教育施設,あるいは社会教育施設の活用なども含めて種々検討を行ってきたところでございますが,今後とも広島交響楽協会と協議しながら対応策を検討してまいりたいというふうに考えております。  次に,人権問題に関連いたしまして,御指摘のあったことにつきましては,本市の教師が深くかかわって人1人の尊い命が結果的に失われたことはまことに遺憾であると考えております。本市教育委員会といたしましては,その責任の重大さを痛感し,今後再びこのようなことが起きないよう教育行政として最大の努力を傾けてまいりたいというふうに思っております。  以上です。 ○副議長(海徳貢君) 59番山本誠君。 ◆59番(山本誠君) 市長さんの大変高い立場での御回答をいただいたわけですが,私はやはり今おっしゃったように,ある意味では市長の目指す市長としての目的,これは今おっしゃった中にあった市民だれもが安心をして豊かで生きれるような,そういうまちをつくりたいと,そのことがひいてはこのアジアに住む人たち,あるいは世界の住む人たちがそういう姿を見て生きる勇気がわいてくるような,そういう広島をつくりたいということをおっしゃったんではないかと,こういうふうに思っております。ぜひともそれらを組織の中で,そこに前にいらっしゃる局長さんあたりがそうした市長の政治目的をどう具体的な政策の中でそれを実現する手段としてどう生かしていくのか,これが大切だというふうに思うわけです。そのために4年に1回市長は市民から選択をされるわけですから,そういう意味で私はただ単に地方自治法に書いてある自治の目的と,そういうものではないと,それだけではないと,それが市長が公選制,民主的なルールで選ばれる市長の政治目的,そういうものを実現するために一つの理念をつくる,そして手段のために政策をつくる,そしてそのために,それを生かすための組織をつくっていくと。こういう真ん中に大きな政治目的があって,それを取り囲んで一つの理念,都市ビジョン,そして政策,そして組織,こういうものが今描かれたんではないかというふうに,私は思っております。そういう意味で,これからの行政の中で,そうした基本的なものを生かして,すべてのものに対応していただきたいというふうに強く求めておきたいというふうに思います。  もう一点は,高度情報化の関係で,通告にはちょっと話したと思うんですが,やはり今ごろは24時間世界地球上の情報がいろいろ入るために,このケーブルテレビジョンなどが発達してきておるわけですね。いろいろなメディア,そういうものが発達しとるわけですが,しかしながら受ける側の体制が,これは地下埋というと,電気,ガス,水道,NTTと,こういうふうな発想であったわけですが,そこに新しいそういう情報のための送る装置,そういうものも地下埋の中に考えていくと。そういう点では,都市を中心に既にそういうことも考えておるということですから,そういう新しいところでもそういう発想を持っていかないといけないんではないかと。それと,当然公共施設ですね,あるいは市営住宅,そういうものの中には既にそういう装置を考えたこれからの建設,こういうことを強く求めておきたいというふうに思います。  あとはそれぞれの委員会の中でまたやらせていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○副議長(海徳貢君) 本日の総括質問はこの程度にとどめたいと思います。  ─────────────────────────────────            次 会 の 開 議 通 知  ───────────────────────────────── ○副議長(海徳貢君) この際,御通知申し上げます。  3月1日は,午前10時より議会の会議を開きます。  ─────────────────────────────────            散   会   宣   告  ───────────────────────────────── ○副議長(海徳貢君) 本日はこれをもって散会いたします。  御苦労でございました。              午後2時53分散会  ─────────────────────────────────      議   長   中  本     弘      副 議 長   海  徳     貢      署 名 者   原     敏  起      署 名 者   中  本  康  雄...